2014.2.6~3.6 ポルトガル、モロッコ、イスタンブールを旅行したときのリスボン~セビージャ~アルヘシラス~タンジェの前編です。
リスボン〜セビージャ〜アルヘシラス〜タンジェ(前編)
2/11-2/12
セビージャ―アルヘシラス―タンジェ
ホテルのベッドに腰を下ろしたのは21時半だった。
丸一日を移動に費やしたことになる。飛行機やバスに乗って座っていたわけじゃない。
誤算が重なった結果だったしツイていなかったと言えばそれまでで、旅をしていればこんな日もある。
でも振り返ってみると、旅のこういうのはやっぱり楽しいな、と思う。
昨日の21時半発の夜行バスでリスボンからアルヘシラスに向かうはずだった。
20時にいとこの寮を出て、スペイン行きのバスが出るセッテリオスのバスターミナルに向かった。徒歩とメトロで30分の距離なので1時間前には着いてチケットを買おうと思った。
メトロを待つ間、駅のホームでユーロの残金を確認したときに気づいた。
残金48€
アルヘシラスまでのチケット代54€
チケットを買うのにクレジットカードは使えない。
駅でたまたまWiFiが使えたので、いとこに足りない分を借りようと連絡してみた。
でもこれもたまたま、今日はポルトガルサッカーきってのダービーマッチ、スポルティング対ベンフィカの試合の日だった。友だちと見ると言っていたし、すぐに返信はなかった。
歩いて寮に戻る時間はないので、昼に教えてもらっていた両替店に行ってみた。当然のように閉店していた。
寮に戻ってもう一泊させてもらえばよかったけど、せっかく出たので戻るのは面倒くさかった。
アルヘシラスまでのチケットが買えなくても手持ちの金で買えるところまで行けばいいし、バスがなければ朝まで寝て待てばいいやと思ってとりあえずバスターミナルに向かうことにした。
バスターミナルで聞くと、アルヘシラス行きのバスは途中でいくつかの都市に寄るものだった。その中でも比較的大きな都市のセビージャまでの料金が36ユーロだったので、セビージャまでのチケットを買った。
バスに乗ってすぐに寝た。
運転手はどうせ顔なんて覚えてないから、寝たふりでもして終点のアルヘシラスまで行っちゃおうかな。
朝4時に目を覚ましたときは、ちょうどバスターミナルに着いたところだった。みんなが降りる支度をしていた(ように見えた)ので、慌てて準備をした。
どこに着いたのか聞くと、まだセビージャだった。
あ、起きちゃった。なので降りることにした。
トランクの荷物を取り出すと、バスはすぐに出発した。降りた人たちはみんな思い思いの方向に歩いていった。
3分くらい前まで暖かいバスの中で寝てたのに、急に外で一人になった。まだ眠い。
そこは半地下のような場所で、たくさんのバスが止まるスペースがあった。
階段があって1階に上がることができた。
1階はバスターミナルの建物の中で、チケットカウンターや椅子が沢山あった。誰もいなくて真っ暗だったのでとりあえずそこで寝ることにした。
スペインとポルトガルの間には1時間の時差があることを思い出して腕時計の時間を5時にした。
何時か忘れたけど、一番早く出勤してきた従業員がベンチで寝てる僕を見てびっくりしていた。
8時過ぎまで寝たり起きたりを繰り返していると、いい加減周りの動きが活発になってきた。
チケットカウンターでアルヘシラスまでの料金を聞いてみた。
「アルヘシラスまではいくらですか?」
「このターミナルからはアルヘシラス行きのバスはないよ」
え?
セビージャにはバスターミナルが2つあるみたいで、ここからはアルヘシラスには行かないらしい。
ということで移動することにした。
「ありがとう。それじゃあマップはありますか?」
「悪いけどマップはないんだよね。」
周りにいた何人かに道を聞いてみたけど英語は通じなかった。
まあいっか、とりあえず外を歩いてみよう。セビージャも見てみたいと思ってたから一石二鳥?
適当に賑わってる方に歩いて行けばメトロの駅でも見つかるかな、と思っていたらそれらしいものは見つからないまま20分経った。
ちょうど広場に出たので一回休もうと周りを見回した。
その中にcafe 0.5€の店があって、安いのでそこにした。
コーヒー1杯なので5分で飲み終わった。でもすぐにバックパックを背負ってバスターミナルだかメトロの駅だかを探して歩くのは嫌だった。
店員にマップはないか聞いてみたけどやっぱりなかった。バスステーションに行きたいと言ってもそもそも英語が通じない。
ペンを取り出して、置いてあった紙ナプキンに
bus to algeciras
と書いてみた。
すると店員はやっと理解してくれて、ナプキンの裏にバスターミナルの名前を書いてくれた。
隣で見ていたおっさんもよく分からないスペイン語で道を教えてくれた。方向だけは分かった。
すれ違う人に道を聞きながら20分くらい歩いて、やっとバスターミナルに着いたのは9時半過ぎだった。
窓口で料金を聞くと、19.6€で10時40分と教えてくれた。
バスの中で日本人女性と出会った。
彼女はいかにもアラフォーな見た目で、服装もきれいでとても落ち着いていた。元バックパッカーで、ヨーロッパや南米を周った話をしてくれた。アルヘシラスに一泊して英領ジブラルタルに行き、そのあとマドリードの友人に会いに行くとのことだった。
アルヘシラスには13時半に着いた。
バス停のカフェでビールとワインを奢ってもらった。遠慮しなくていいと言ってくれてありがたかった。僕の身なりがみすぼらしくて親切にしてくれたのかも。
旅中はいつも誰かにお世話になる。現地に住む人だったり先輩バックパッカーだったりそのときによって変わるけど、みんな見返りなんて求めてないし遠慮もしなくていいと言ってくれる。
だからいつも、素直にお世話になることにしている。自分が親切にしてもらった分は別のところで別の人に返そうと思っている。
そのあと安宿街で一緒に宿を探した。
僕は今日中にモロッコのタンジェに行くつもりだったので、宿に荷物を置くと今度は一緒に船のチケットの販売会社を探してくれた。
何軒か聞いて周り、結局港のチケット売り場で直接買うことにした。
値段は20€で15時発の船だった。
ちょうどいい時間だ。ん?え?
いま14時51分
出国審査もあるし間に合わないんじゃないの?
チケット売りのおっさんは走れば間に合う!というので大急ぎで搭乗口に行った。遠いよ!
搭乗口では30人くらいが座っていた。案内板をよく見ると、船は遅れているみたいだった。
15時の船はなく、14時の船が遅れて15時半発になっている。よかったよかった。
15時の船はないんだね。よく分からないけどよくある話だ。
しばらく待っていると、15時20分に出国審査と搭乗手続きが始まったので女性にお礼を言って列に並んだ。
荷物検査もなく、簡単にパスポートのスタンプが増えた。
後編につづく。
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