めくるめく、ミャンマー料理の世界。26品を紹介

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世界を旅するバックパッカーの間で、「ミャンマー料理(ビルマ料理)がおいしかった!」という話はあまり聞かない。
ミャンマー旅行の目的が食(料理)だ、という人にも会ったことがない。

だけれども、ミャンマーも他の東南アジア諸国と同じく、本当は食の魅力に溢れた国なのだ。
今回は僕のお気に入りのミャンマーの料理を紹介しようと思う。

麺料理、色とりどりのおかず、カレー風味、中国系、インド系、うまいビールにうまいミルクティー。
完璧じゃない?

2017 世界一周 ミャンマー
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ヒン

ミャンマー料理 ヒン

「ミャンマーのカレー」とも呼ばれるヒンは、ミャンマー料理の代表的なおかず。

にんにくや玉ねぎとスパイス、油で具材を煮込んで作られていて、基本的には辛くない。
むしろ、玉ねぎや肉の甘みがしっかり感じられるし、素材の旨味が凝縮されていて、白いご飯によく合う。
店によっては、粉唐辛子を入れた辛いヒンも出している。

付け合せとして、生野菜の盛り合わせや数種の小皿料理、スープ、ふりかけなどが付く。

ミャンマー料理 ヒン

生野菜はレタスなどの葉物だけでなく、きゅうり、にんじん、小なす、オクラなど様々。
店ごとにある辛いタレやヒンの油につけたりして食べる。

ヒンと一緒に出される生野菜

タレ

ヒンはご飯にかけて、さらにふりかけをかけて混ぜて食べるのが現地流。

ミャンマーのふりかけ?

そしてなにより、付け合わせの野菜料理が最高においしい。
これは店によってまちまちで、本当に色んな種類のおかずがある。

全部は載せきれないので省略するが、どれも付け合わせにはもったいないくらいのクオリティだ。
屋台でこんなかわいいおかずが次々に出てくるのだから、びっくりする。

ミャンマー料理 ヒンのおかず

ミャンマー料理 ヒンのおかず

ミャンマー料理(ビルマ料理)は油っこいと言われているが、たしかに油っこい。
ギットギトのヒンの油をご飯にかけておいしいと思えなければ、ミャンマーの食事は楽しめないかもしれない(偉そうでスミマセン)。

ミャンマー料理 ヒン

1.アメターヒン(ビーフカレー)

アメターヒン(ミャンマーのビーフカレー)

牛肉のヒン、値段は他に比べて少し高い場合がある。
程良い歯ごたえで、噛むとしっかり牛肉の味がする。

2.ワッターヒン(ポークカレー)

ワッターヒン(ミャンマーポークカレー)

豚肉のヒン。
牛肉や鶏肉に比べて、出している店は少ない。

3.チャッターヒン(チキンカレー)

チャッターヒン(ミャンマーのチキンカレー)

鶏肉のヒン。
肉が柔らかくなるまでしっかり煮込まれている。
油多めのチキントマト煮のようなものなので、初めての人でも食べやすいかもしれない。

▼粉唐辛子が多く入っている、辛いチャッターヒン
チャッターヒン(ミャンマーのチキンカレー)

4.トーターヒン(マトンカレー)

トーターヒン(ミャンマーのマトンカレー)

(写真右がトーターヒン)

マトン(羊)のヒン。スパイスのおかげか、臭みもそれほどなくおいしかった。

5.ガーヒン(魚のカレー)

魚のヒン。
写真のヒンは、衣をつけて揚げた白身魚を使っているが、小魚を使ったヒンもある。

ふんわりした白身魚とトマト、スパイスの旨味がバランス良く合わさっている。

6.その他のヒン

他にもエビ、トマト、レバー、卵、魚のすり身の練り物など、色々な具材がある。

▼卵のヒン

▼練り物のヒン

▼レバーのヒン

▼虫かと思ったら、たらこのようなものだった

麺料理・ご飯物

7.モヒンガー

ミャンマーの定番麺料理。朝食やおやつとして広く普及している。
独特の匂いで好みが別れるが、個人的にはミャンマーと言えばコレ!

川魚で取った出汁がベースになったスープと米粉麺の組み合わせで、店によっては揚げ物などのトッピングもできる。

他の麺料理には箸を使うけれど、モヒンガーだけはなぜかスプーンを使って食べる。

8.オンノ・カウスエ

ココナッツミルク入りの、クリーミーなカレー味が特徴のスープ麺料理。

ココナッツミルクを使いカレー風の味付けをしている点はタイ・チェンマイのカオソーイと似ているが、チェンマイのカオソーイほど辛くはなく、どちらかと言うとマイルドな味わい。

9.シャン・カウスエ(シャンヌードル)

シャン・カウスエはシャン族の麺という意味で、旅人からはシャンヌードルとも呼ばれる。
米粉麺に透き通ったスープ、具材は刻んだ肉や葱というシンプルな麺料理で、日本人の口に合うからか日本人旅人から人気のミャンマー料理。

付け合わせの漬物を入れて食べても良い。

↓かなり主観的かつ雑な考えではあるけれど、僕はこんな風に思っている。

シャン族は、ミャンマーでは「グルメな人たち」として有名なのだが、それもそのはず。
「シャン」というのはビルマ語で「タイ」を指す言葉で、ミャンマーの「シャン族(タイ・ヤイ族)」は、現在のタイ族(シャム人。タイの主要民族)や、傣族(タイ・ルー族。中国雲南省シーサンパンナの主要民族)と同系の民族なのである。アジアが世界に誇る二大グルメ大国、タイと中国(の雲南の一部)の人たちと同系なんだから、うまい飯を作るに決まってる!

10.トーフヌエ

ミャンマーではトーフとは、ひよこ豆やエンドウ豆から作られた豆腐のことを指す。

トーフヌエ(英語メニューではtofu nweやtofu nwayなどと書かれている。)というのは、トーフが固まる前の、柔らかい状態のものを麺にかけた料理。

ニャウンシュエにある食堂(NAUNG INLAY Restaurant)の日本語メニューには「クリーミーグラム」と書かれていたが、ひよこ豆のことをインドでは「グラム」と呼ぶことがあるらしく、おそらくここから取って「クリーミー」な「グラム」で「クリーミーグラム」と書いたのではないか?と考えている。

ちなみに、トーフヌエは特におすすめの料理なのだが、ミャンマーではトーフはシャン族の食べ物なんだそうだ。
やっぱりシャン族はすごい。グルメだ。

トーフは、ミャンマーではシャン族の食べ物として認識されています。シャン料理店にはたいていトーフを使ったメニューがありますし、市場でトーフを扱う店があれば、店主はシャン族とみて間違いありません。

ミャンマーの「トーフ」は「豆腐」とは別物 | TRIPPING!より

この引用元はミャンマー在住の方が書いた記事で、とても勉強になった。

ところで、中国雲南のシーサンパンナにも、「豆湯」というエンドウ豆から作られたスープ麺料理がある。

トーフヌエを初めて食べたときは豆湯に似ていると思ったけど、なんか違うな、と。
そしたらこっち(ミャンマー)はひよこ豆だと。
店によって味の違いがあったけれど、もしかしてエンドウ豆で作っているところもあったのかもしれない。

やっぱり傣族とシャン族は似ているんじゃないかな。

▼中国シーサンパンナ 景洪の豆湯。これは本当にうまい

11.カウスエ・ジョー

ミャンマーの焼きそば。これも油っこい。
写真のものは卵のせバージョン。

12.タミン・ジョー

ミャンマーのフライドライス(チャーハン)。
この手の料理は東南アジアならどこにでもある。

13.ビリヤニ

ミャンマーにはインド系の人も多く、ビリヤニやサモサなどインドの料理も入ってきている。

14.ぶっかけ飯

2,3種類のおかずを自分で選び、ご飯と一緒に皿に盛ってもらうシステムで、中国の「快餐」やベトナムの「コムビンザン」と似ている。

ヒンやヒンの付け合せで出てくるような料理が多いので、選ぶおかずによっては実質ヒンを食べるのとほとんど変わらない。
ヒンと同じく、スープや生野菜が付くこともある。

おやつ・軽食

15.キーマ

チャパティの中に玉ねぎや卵が入っている。
具なしの普通のチャパティに、インドのダルのようなひよこ豆のカレーがつくメニューもある。

16.サモサ

じゃがいもや豆が入っている。

▼スープをかけて食べることも。ツマミに良い。

17.アチョ

アチョは揚げ物のこと。
定番のバナナはもちろん、コーンやきゅうり、豆などもある。

▼豆がうまい

▼モッラガウチョ(揚げドーナツ)

▼街なかのアチョ屋台はどこも人気

18.ラペットゥ

ラペソー(発酵させた茶葉)を豆やナッツなどと混ぜて作るサラダ。
ラペソーは「食べるお茶」などとも呼ばれている。

高菜に少し似ているけれど、高菜よりも酸味が強い。

▼ラペソーとご飯を混ぜた料理。英語メニュー名はRice salad with pickled tea

19.モツ串おでん(串炊き)

繁華街やバスターミナルに屋台が出ている。
色々な部位があり、1本100チャット(約8.5円)程度。商店でビールを買って食べに行くのがおすすめ。

茹でたモツ串を辛いタレにつけて食べるのだが、タレの味は店主によって違う。
近距離にいくつも屋台が出ていることが多いので、タレや置いている部位を見て好みの屋台を探すのも良い。

「地球の歩き方」やいくつかのウェブサイト・ブログでは「串揚げ」と紹介されているけれど、これは「揚げ」ではなく「茹で」だと思う。
皆本当に食べたのか不思議だ。
英語で調べても”boil”と出てくるから「茹で」のはずだけど……

おでんの茹で汁に、潰したにんにくや青唐辛子を加えて作るスープもうまい。

20.串焼き(バーベキュー)

東南アジアのどの国にもある、串に刺した野菜や肉、魚などを炭火で焼く料理。

ヤンゴンのチャイナタウンにある19番通り(19th Street)には、こうした串焼きと生ビールを出す店が多く集まっているため、「バーベキューストリート」と呼ばれている。

街なかの屋台でも鶏肉や野菜、練り物などを焼いて出している。

21.トーフジョー

揚げトーフ(豆腐)。辛いタレにつけて食べる。
揚げたては外がサクサク、中はふんわり。日本の揚げ出し豆腐とはすこし違う。

22.その他のおやつ

ミャンマーには本当にたくさんの種類のおやつがある。
もちもちしたもの、ものすごく甘いもの、ココナッツをのせて食べるもの、揚げパン、パイ、中華まん、サモサ・・・

▼手作りヨーグルト。カップに氷と壺のヨーグルトを入れ、カラメルソースをかけて混ぜる。
シュワッとしていて、カルピスソーダのような味がクセになる

お酒・コーヒー・お茶

23.ミャンマーのビール

ミャンマーのビールについては別の記事にまとめたので、そちらを読んでもらいたい。

https://unusual-web.com/?p=17204

24.ミャンマーコーヒー

あまり知られていないが、ミャンマーはコーヒー生産国。
喫茶店では3in1(インスタントコーヒー)が主流だが、本格的なコーヒーを出す店もある。

シャン州やマンダレー近郊のピンウーリンなどが主な産地となっている。

▼POP POPという卸業者のコーヒー豆。良くも悪くもクセがなく、プレーンな味。

25.ラペイエ(ミルクティー)

ミャンマーには、インドのチャイに似たラペイエというミルクティーがある。

ラペイエはインドのチャイとは違ってスパイスは使われておらず、紅茶、コンデンスミルク(加糖練乳)、エバミルク(無糖練乳)を混ぜて作る。

この3つの比率で色々と種類があるが、僕のおすすめは「チャーセー」というもの。

ラペイエは街なかのラペイエザン(ラペイエを出す喫茶店)などで飲むことができる。
詳しくは以前こちらのサイト(地元気分で楽しもう!ミャンマー流、ミルクティー屋台の嗜み方 | 旅行ガイド<FLAAAT(フラット)>)で書かせて頂いたので、ラペイエについて知りたい人はこちらも読んでほしい。

26.ラペチョウ(緑茶)

ラペイエ(ミルクティー)はインドのチャイに似ているが、ミャンマーには中国茶に似た緑茶もあり、これはラペチョウと呼ばれている。

ラペチョウはラペソー(発酵させた茶葉)に加工するラペ(茶葉)と同じものだが、より品質の高い茶葉が飲用のラペチョウとなる。

中国の緑茶とも、日本の緑茶とも違った香りと味わいだ。

▼緑茶1パック(小)が500チャット(約42.5円)

ミャンマーは東側に中国雲南省、西側にインドのアッサム州と、茶の生産で有名な地に挟まれており、雲南と接しているシャン州が、ミャンマーで最大の茶の産地である。

さいごに

ミャンマーの料理は他にもたくさんあるけれど、僕がミャンマー旅行で食べた料理の中から代表的だと思われるものを中心に紹介した。

バックパッカー旅行なので低価格の物が多くなったと思う。この記事には書いていないが、エビやカニを使った料理も有名なのだそうだ。

ミャンマー料理は旅人の間ではあまり評判は良くないが、僕が食べた料理はほとんど全部おいしかったし、この記事で紹介したものはどれもおすすめできる。毎回食事の時間が楽しみだった。

海外で日本食ばかり食べる人もいるけれど、それは好みの問題で、どっちでもいいと思っている。
だけど、偶然食べた料理がイマイチで「ミャンマー料理はまずい」とは思ってほしくない。

そして、僕たちのように「行った国の料理を片っ端から食べたい」という人もたまにいるので、そういう人たちにこの記事が読まれれば、それで良い。

Comments

  1. […] ↓記事ページ […]

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