私たちは、2年4か月の長期海外旅行(世界一周 )をしていました。
2人とも料理が好きなのでバックパック旅行中はよく自炊をしていましたが、そのおかげもあってあまりお金をかけずに旅を続けることができました。
海外旅行中は外食ばかりになってしまいがちなので、節約だけでなく健康のためにも自炊はおすすめです。
そこで、海外旅行中に私たちがやっていた「安く」「おいしく」自炊をする方法を、思い出せる限り書き連ねてみました。
↓具体的な海外自炊メニューを書き連ねた記事はこちら
海外旅行中に常備していた調味料・食材
塩とこしょう
塩とこしょうさえあれば、色々なものが作れます(こしょうはなくてもいいかもしれませんが)。
ミルの中身はスーパーで買い足していました。
キッチンのある宿なら塩が置いてあることが多いのですが、キッチン以外でも使う(例えばテント泊のときや、部屋や移動中に野菜などに塩を振って食べるとき、作ったサンドウィッチにこしょうを振るときなど)ことがあったので常備していました。
オイル
オイルが置いてある宿もあるので旅の最初は持っていなかったのですが、なかったときに困るので結局は持ち歩くことにしました。
買ったままの容器だとほぼ必ず漏れるので、買ったらすぐにペットボトルに移し替えていました。
にんにく
私たちは、旅中はにんにくを塩こしょうのように基本調味料として頻繁に使っていました。
にんにくは和食にはあまり使われませんが、海外の料理には頻繁に使われます。
にんにくは常温で比較的長く保管できるので、余ってもバッグの中に入れておけば大丈夫です。
皮を剥かなければ匂いもしません。
その他
醤油や味噌も常備していましたが、外国人に親切にしてもらったときにお礼として日本食を作ってあげるために持っていたので、自炊ではほとんど使いませんでした。
また、常備していた道具として、ステンレスコップ、コイルヒーター、アーミーナイフなどがありますが、この記事ではキッチンがある宿での自炊の話が中心なので、詳しくは以下の記事へ。
https://unusual-web.com/?p=21055
海外で食材を買うときの節約のコツ
まず海外で食材を買うときの節約方法について、私たちの場合を説明します。
これは海外旅行だけではなく、留学や駐在、ワーホリの人にも参考になると思います。
(日本で節約したいときもだいたい同じことが言えると思います。)
・数回分の食材を買う
1回だけ自炊をしようとすると、国によっては外食よりも高くなってしまうことがあるため、数回分の食材を買い、その食材を使って何回か自炊を続けることがによって、日が経つごとに1日あたりの食費が安くなっていきます。
また、自炊をする人数は1人よりも2人以上のほうが食材を余らせることなく使い切れるので、安いけれど1人で消費しきれない量のものなど、いろんな食材を楽しむことができます。
・現地の物価で安い食材を買う
「日本の感覚で安い」のではなく、「その国の物価で安いもの」
を選びます。
日本のスーパーの食品の値段は、世界の中では比較的高いため、普通に買い物するだけでも日本より安く済むことが多いです。
ですが、もっと節約をしたい場合は、その国の物価で安いものを探す必要があります。
また、当たり前ですが、国によって安いものが違います。
例えば肉なら、日本では鶏むね肉が節約メニューの定番ですが、多くの国では鶏もも肉の方が安いし、鶏肉よりも豚肉や牛肉が安い国もあります。
その国をよく観察して見てみると、安いものが見つかると思います。
▼レバーやハツなどの臓物(ぞうもつ)系は安い国が多い。レバーとじゃがいもとトマトの煮込み
▼レバー野菜炒め
・安い店を探す
私たちは食材を買う前に、まず何軒かお店をまわってみてその土地の相場をチェックし、どの店で買うのがいいのかを見比べます。
例えば、野菜を買うならスーパーがいいのか、八百屋がいいのか、市場がいいのか、路上販売がいいのか、街歩きをしながら見比べています。
傾向としては、ヨーロッパなどの先進国はスーパーの方が安いことが多いように思います。
・大型スーパーで買う
私たちは、街に大型スーパーがあれば、いろんなものが売っていて楽しいのでよく行きます。
大型スーパーは商品数が多く、他の店には売っていない商品が置いてあるので選択肢が増えます。
また、プライベートブランドを持っている大型スーパーは、安いものがたくさん置いてあるので要チェックです。
・量り売りを利用する
スーパーによくある量り売りコーナーはお得なことが多いです。
例えば、量り売りに多いハムやチーズなどは、100gあたりで計算してみると、パッキングされた商品よりも量り売りの方が安いことがほとんどです(最安の商品どうしで比べた場合)。
また、必要な量だけ買えるという利点もあります。
量り売りと言っても惣菜系はあまり安くはないですが、国によってはその土地の名物料理の惣菜がある可能性があるので、名物料理好きな人はチェックしてみるといいと思います。
・小分けされていない大容量のものを選ぶ
水は5リットル、鶏はまるごと1羽、豚肉はかたまり肉、じゃがいもは3kgなど、使い切れる環境が整っている場合は、できるだけ小分けされていない大容量のもの、またはセット売りのものを選ぶとお得です。
肉や野菜は小分けにして冷凍保存したり、一度にたくさん調理をして3日分の料理を作ったりと、そのときのキッチンの状況次第で変えていました。
▼水5リットル
▼クッキー700g
海外旅行中に自炊するときのコツ
・味に変化がつく食材を活用して、バリエーションを増やす
長期旅行をしていると、最初はパスタだけでよかったものが、だんだん料理のレパートリーを増やしたくなったり、いつもと違う味のものが食べたくなります。
そんなときに私たちがよく使っていた、味に変化が付く食材や、汎用性の高い食材を紹介します。
- 乾燥唐辛子
アラビアータやペペロンチーノなど辛いパスタを作るとき用にほぼ常備。スープや煮込み料理にも。 - スパイス
カレーパウダー・パプリカパウダー・クミンパウダー・シナモン・ローリエなど、スープや煮込み料理に入れるとバリエーションが広がる。シナモンスティックは紅茶に入れて、シナモンパウダーはパンケーキにかけたりシナモンロールを作ったり。なかなか減るものではないのでほぼ常備。 - お酢またはレモン
サラダのドレッシングの材料として。お酢は小さいサイズのものがあれば買っていて、お酢を持っていないときは小さいライム(キーライム/マナオ)をよく買っていた。南米ではサラダをよく食べていたので常備。 - トマト(トマト缶)、じゃがいも、きのこ、たまねぎなど旨味のある食材
肉がないときなど、味が物足りないと思ったときに出汁として意識して入れてみるといい食材。 - 豆・穀物類
キヌア、ひよこ豆、チアシードなどいろんな豆・雑穀類を使っていましたが、使いやすさで言えばレンズ豆がおすすめ。浸けずに使えて、スープなどに入れるだけでボリュームと栄養がアップ。豆を浸けた汁は旨味たっぷりなのでそのままスープなどに使える。 - 小麦粉
朝食にパンケーキをよく焼いていた。長期滞在ができてキッチンが整っている宿ではパンやクッキー、ピザ生地、お好み焼き風おかずケーキなども。 - はちみつまたは砂糖
パンケーキや紅茶、煮物を作るとき用に。風邪気味のときははちみつしょうが湯を作って飲むことも。 - ベーコンやソーセージ
少量でも味に大きな変化を与えてくれるので何か物足りないなというときに。パスタ・スープ・リゾット・炒め物など万能で使える。 - マヨネーズ
サンドウィッチやサラダに使えるし、オイルがないときにオイル代わりにもなる。 - しょうが、ネギ、セロリ、パクチーなどの香味野菜
チャーハンやスープに入れると、ぐっと本格的な味になる。 - レーズンやピーナッツなどの乾物
おやつとして食べる以外に、サラダや炒め物に入れると雰囲気が変わる。
・主食のレパートリーを増やす
リゾットをマスターすべし
私たちはパスタは日本でもよく作っていましたが、リゾットはあまり作る機会がなく、旅に出てから頻繁に作るようになりました。
米は海外でも意外と安く買えるので(日本よりも安い)、マスターしておくとレパートリーが増えていいと思います。
私たちはフレッシュトマトやトマト缶を使ったリゾットを作ることが多かったです。
簡単リゾットのレシピ(作り方)
- 油をひき、具材を炒める
- 続いて生米(洗わない)も炒める
- 酒(ワイン)があれば少し入れ、アルコールを飛ばす
- 水を米が隠れるくらいまで入れ、沸騰したら中火にする
- 水が減ってきたら、また米が隠れるくらいまで水を足す
- 米が好みの硬さになったら水を足すのをやめ、塩こしょうで味を調節する
- 水がだいたい減ったら完成
※リゾットによく使っていた食材は、にんにく、たまねぎ、トマト、きのこ、ビーツなど。肉(鶏肉、ひき肉、肉の骨、ベーコンなど)があるとおいしくできます。
※米が割れてしまうので途中でたくさんかき混ぜる必要はありませんが、水が少なくなってくるとフライパンにくっつくので注意してください。
ご飯は鍋で炊く
日本にいたときは炊飯器でしかご飯を炊いたことがなかったのですが、旅に出てから鍋でご飯を炊くようになりました。
やったことがない人は難しそうに思うかもしれませんが、簡単だし、炊飯器よりも早く炊きあがります。
パンやパスタばかりだと飽きると思うので、ご飯が炊けるとレパートリーが広がるのでおすすめです。
豆類と一緒に炊くと、栄養・味・見た目の面でよりいい感じになります。
鍋でのご飯の炊き方
- 米を洗い、米と水を1:1強(1~1.2)の割合で鍋に入れる
- フタをして、強火にかける
- グツグツいってふきこぼれそうになったら、弱火にして10~20分ほど加熱する
- 水がなくなってきたころ火を止め、10分ほど蒸らして完成
※メモ
- 「これで一応炊けるよ」程度です。おいしく炊く方法は米の種類によって違うので調べてみてください
- 火にかける前に、しばらく水に漬けるときもあります
- うまくいかなかったときは途中で水を足したり、火にかける時間を調節してください
- バサバサの米の場合は、火をつける前にオイルを少しだけ入れるとしっとりします
オイルがないときの対処法
キッチン付きの宿にはオイルが置いてあることがありますが、ないことも多いです。
私たちはそれが嫌で結局オイルを持ち歩くことにしたのですが、オイルのないキッチンに当たってしまったとにどうしていたかを紹介します。
- オイルを使わない料理を作る
オイルをたくさん使うパスタや炒めものなどではなく、スープ系、茹でor蒸し野菜などを作る。 - オイルの代わりにマヨネーズを使う
マヨネーズの油分をオイル代わりにする。マヨネーズはサンドウィッチやサラダにも使える。 - 脂身の多い肉を使う
脂身の多い肉(鶏もも肉など)を焼けば、オイルいらず。
場面別おすすめメニュー
・簡単でおいしい肉ソテー
簡単でおいしいメニューといえば、塩こしょうを振った肉を焼くというシンプルな料理。
誰でも失敗なく、かつ抜群においしいものが出来あがります。
しかし、ある程度肉の量が必要なため、あまり安くならないときがあります。
フライパンの端で同時に野菜も焼くと、立派な肉野菜プレートになります。
おすすめの付け合わせ野菜は、じゃがいも、にんじん、ズッキーニ。
・簡単で安いスープ
簡単で安く作れるメニューは、スープです。
塩こしょう(とにんにく)があれば、あとは買ったものを切って入れていけばいいので簡単です。
肉や肉の骨があれば、出汁がスープをおいしくしてくれますが、野菜だけでもおいしく作れます。
野菜だけでもおいしいスープにするコツは、最初に野菜を軽く炒めたら、水を入れてしまう前に、塩を多めに振って蓋をして弱火でしばらく置き、野菜から水分を出すこと。
そうすると野菜の旨味が引き出され、おいしい野菜スープになります。
あとは、しょうがやセロリなどの香味野菜を使ったり、トマト、きのこ、イモ類などの旨味のある食材を使うといい出汁が出ます。
レンズ豆・ひよこ豆・キヌアなどの穀物系を入れたり、米(生米でもOK)やパスタなどを入れればボリュームもアップします。
・フライパンひとつで作れるリゾット
リゾットは、フライパンひとつで作ることができます。
昼食にパスタかリゾットのどちらかをよく作っていました。
作り方などは、上のリゾットをマスターすべしに書きました。
・材料が少なくても作れる旅の定番パスタ
持っている材料が少なくても作れるおいしいメニューは、ペペロンチーノとアラビアータです。
ペペロンチーノは、にんにくと唐辛子とオイルだけ。
麺だけじゃ物足りないなら、キャベツなどの野菜があればなおよし。
アラビアータは、にんにくと唐辛子とオイルとトマトだけ。
どちらも作り方は簡単で、最初にオイルをひいたフライパンでにんにくを炒めたあと、具材を入れ、塩こしょうで調節。
鍋で塩茹でした麺と合わせて完成です。
▼キャベツのペペロンチーノ
・とにかく節約したいときの最終兵器はじゃがいも料理
じゃがいもはどこの国でも安い
野菜です。
しかも、焼く・茹でる・煮る・揚る・マッシュする・ハッシュドポテトにするなど、調理方法がたくさんあり、バリエーションに困りません。
一番簡単なのは、電子レンジでチン。
どんな調理をしたって塩をかけるだけでおいしく、栄養もあって何よりお腹にたまる最高の食材。
兎にも角にも節約したい!というバックパッカーの最終兵器はじゃがいもです。
・火を使わなくても作れるサラダ
私たちはメイン料理のサイドメニューとしてサラダをよく作っていました。
もう一品欲しいというときや、さっぱりしたいというとき、生野菜を食べたいと思ったときにおすすめです。
私たちが作っていた簡単ドレッシングは、オイル・お酢(レモンやライムなどでも)・塩こしょうを混ぜるだけ。
オイルは、本当はオリーブオイルのほうが良いのですが、サラダ油を使っていました。
・移動日・外出時メニュー
私たちは、電車やバスで長時間移動するときや、観光ツアーに参加するときに、何かしらの食べ物を持参することが多かったです。
そのときに持っていっていたおすすめメニューを紹介します。
サンドウィッチ
節約バックパッカーは(特に物価の高いヨーロッパでは)、飽きるほど手作りサンドウィッチを食べることになるかもしれません。
ハムとチーズを挟んで食べるだけでもおいしいのですが、毎日食べていると飽きるときがあります。
そこで、少しでもおいしくサンドウィッチを食べる一工夫。
サンドウィッチの一工夫
- 野菜を挟む
定番の具といえばハムとチーズだが、きゅうりでもレタスでもトマトでも玉ねぎでもいいのでとにかく野菜を挟むと、それだけでワンランクおいしくなる。 - おいしいパンを選ぶ
各国で売っている最安のパンは、味もそれなりでずっと食べていると飽きるので、全粒粉入り、雑穀入り、バゲットなど、たまには最安にこだわらずいろいろ種類を変えてみる。 - マヨネーズ、マスタード、レバーペーストなどを塗る
味に深みが出て、ちょっと豪華なサンドウィッチになる。 - おやつサンドウィッチを取り入れる
おやつ/デザート枠として、ジャムを塗ったり、板チョコを豪快に挟んだサンドウィッチも織り交ぜる。
▼移動日用サンドウィッチ製作工場
ゆで卵、ゆで野菜
ゆで卵やゆで野菜も、手軽でおすすめです。
塩(ミル)をバッグに入れ、塩をかけながら食べていました。
ちなみに、ゆで卵は常温保存には向いていません。
殻を割ってしまうとさらに保存できる期間が短くなってしまうので、殻付きのまま持ち歩き、できるだけ早く食べたほうが良いです。
お弁当
旅の途中でタッパーを買ってからはお弁当を作ることも多かったです。
具はパスタや炒めものなど、漏れにくいものを作って詰めていました。
節約になるし、お弁当ってなんだかそれだけで嬉しいのでおすすめです。
その他
その他移動日メシ
- フルーツ
バナナ・りんご・みかんなど、手が汚れずに食べやすいフルーツ。 - ヨーグルト
ヨーグルトは元は保存食で腐りにくい食品なので、数時間は常温でも大丈夫。 - クッキー
- レーズンやナッツなどの乾物
さいごに
私たち夫婦は二人とも料理が好きなので、節約のためというよりは楽しんで自炊をしていました。
また、私たちの旅は食が中心なので、節約自炊ばかりではなくその土地の有名な食べ物はなるべく食べるようにしていました。
海外旅行中だと、料理は宿のキッチンの環境に左右されるし、食材も持ち歩かなければならないので難しいのですが、慣れれば自分がやりやすい方法を見つけられると思います。
節約が負担になって旅が楽しくなくなってしまわないように、自分に合ったやり方を探してみてください。
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