2017年12月半ばから2018年1月末まで1か月半(45日間)の期間、ポルトガルのポルトに2人で部屋を借りて滞在していました。
その時の、部屋を探した方法と家賃、食費などをまとめます。
世界一周など長期旅行中にどこかの国に住んでみるというのは、意外と気軽にできることで、楽しいし、おすすめです。
やってみたいという人が増えるようになるべく詳しく書くので、興味のある人は是非参考にしてください。
長期滞在をしようと思った理由
長期滞在をしようと思った理由はいくつかあります。
僕たちは、2017年10月から長期旅行(世界一周)を続けています(一時帰国含む)。
旅が好きなので、飽きるということはまずないのですが、旅と同じくらい好きなのが「暮らし」。将来はどこかの国で「暮らして」みたいなと考えていました。
旅をしながらいつも今後のことを考えているのですが、考えているうちに「海外暮らしは旅中でもできる」ということに気が付きました。
僕はせっかちで、やりたいと思ったことはすぐにやりたいタイプです。
今回の長期旅行も、新卒で入った会社を5年以内に退職して、お金を貯めて行こうと思っていたのですが、結局は2年半でお金もたいして貯まっていないまま出発しました。今も毎月奨学金を返還しています。
話は戻りますが、「いつかやりたい」ことが「(条件付きでも)いまできそう」だと気付いたら、すぐにやります。
経済面や仕事面、子供のことなど、完璧な準備をした「いつか」よりも、色々な条件が整っていない不完全な「いま」を取るタイプなのです。
元々やりたかったことが、いまできそうだと思ったから実行した。これが一つ目の理由です。
→世界旅行からの帰国後2019年~2020年は、南フランスのモンペリエで念願の長期滞在をしました。
また、今まで旅をしていて「長く居なければ分からないこと」が多いと感じていました。
素晴らしい景色はその一瞬でも感動できますが、その土地に根付く食文化、歴史的背景、人々の暮らしなどは、なかなか知ることができません。
現地の人の家にお邪魔したり、泊めてもらったり、話を聞いたりすれば、効率よく知れるかもしれません。
ただ、「長く居る」というのは、それらを「より自然に」知るための、一つの有効な手段なのではないか、と考えていました。
これが二つ目の理由です。
それから、このブログに書きたいことも溜まっていたし、少しですが仕事も頂いていたので、どこかで落ち着いてそれらを進めたいというのもありました。
そして、1都市に長く滞在するほうが出費を抑えられるというのが決め手です。
ということで、さっそくどこかに住んでみよう!という話が決まりました。
https://unusual-web.com/?p=17982
長期滞在にポルトガルを選んだ理由
ポルトガルを選んだ理由は、僕たちの旅のルート上ちょうど良かったということや、ヨーロッパの他の国だと冬は寒すぎるということなどいくつかありますが、一番の理由は「良い部屋が見つかった」からです。
僕たちは最初ドイツに住もうとしていました。
ドイツではフラットシェア(ルームシェア)というスタイルが日本よりも浸透しているらしく、部屋探しサイトでもシェアメイトの募集が多く出ています。
ただ、探していたのが直近すぎた(11月半ばに探していた)ためか、あまり良い部屋が見つかりませんでした。
それから、オーストリアやチェコ、スロバキアなどの中欧を探しましたが、中々見つからず。
暖かくて食事の美味しいスペイン、ポルトガルでも探してみようと思って探しはじめ、良い部屋を見つけたのでポルトガルに落ち着いたというわけです。
ヨーロッパ(シェンゲン圏)に長期滞在する場合の注意点
ヨーロッパのほとんど国はビザなしで滞在できますが、シェンゲン協定内では3か月(90日間)しか滞在できません。
ドイツもポルトガルもシェンゲン圏です。
僕たちは残り期間の関係で1か月半(45日)しか日数が取れませんでした。
例外として、オーストリアはビザ無しで6か月まで滞在できるそうです。
関連 ポーランドからの出国で、シェンゲンに90日以上の滞在+再入国情報
部屋の探し方と家賃
部屋の探し方
以前ポルトガルに住んでいた親戚に教えてもらったUniplacesというサイトで探しました。
学生向けですが、学生以外も利用可能です。
ポルトガルの他にスペインやイタリア、ドイツの都市も検索でき、英語にも対応していて、使いやすかったです。
サポートの人とメールのやり取りもしましたが、とても親切でした。
Uniplacesを利用すると、家賃に応じて手数料がかかります。
登録後、数日待っていると手数料15%オフのクーポンをくれました。
部屋はAirBnbでも探せますが、割高です。
Uniplacesも、普通に地域の不動産屋で借りるよりは割高です。
家賃
・手数料:63€
・クーポン:-16€
・1か月:332€
・1日:約11€
借りたのは、ポルトガル第2の都市ポルトの中心地からバスで20分ほどの場所にある、シェアハウスです。
ポルトの安いドミトリーが1泊1人7€程度なので、それに比べれば安いと思います。
借りたのは4部屋のシェアハウスのうちの1部屋で、個室です。
ダブルベットの他にクローゼット、机、椅子2つと普通に過ごすのに問題ない設備でした。
もちろん洗濯機は無料です。
2人とはいえ、ポルトガルで月300ユーロの家賃はそこまで安くはないようです。
1か月や1か月半は、旅中の滞在と考えると長いですが、住むと考えると短期なので、ある程度は割高になります。
Uniplacesでも半年以上だと家賃が半額になる部屋や、そもそも半年以上でないと借りられない部屋もありました。
僕たちは予約完了したのが約3週間前でした。これが早いのか遅いのかは分かりませんが、他にもっと安い部屋もあったので、探せばもうすこし安い部屋が見つかると思います。
実際、僕たちはもっと良い立地の260€の部屋を予約していたのですが、日付を間違えていてキャンセルになりました。
ポルトガルの物価
たった1か月半しか住んでいないので、スーパーや肉屋、八百屋など限られた物価しか分かりませんが、色々な国を訪れている旅人として、在住の方とは違った捉え方ができていると思っています。
まず、ポルトガルはヨーロッパの中では比較的物価が安いのですが、ポルトガルよりも物価の安い国はたくさんあります。
例えば、ウクライナ。ウクライナには約1か月いましたが、今まで訪れた国(アジア含め)の中でダントツに安かったです。(ウクライナの物価についてはクリミア問題があるので、手放しで喜んで良いのか微妙なところですが……)
あとは、アルメニアやジョージアも安かったです。
・ポルトのメトロ、バス1回券:1.2€
・リスボンのメトロ、バス1回券:1.45€
・大衆食堂のメイン料理:5€~
・カフェのエスプレッソ:0.5€~
ポルトガルで特に安いもの
僕たちが、他の国と比べて安いと思ったものです。
いろいろな種類がありますが、よく買っていた最安値のものの一例を挙げます。
- 人参1kg:約0.4€
- じゃがいも1kg:約0.25€
- 豚肉1kg:約2.5€
- 丸鶏1kg:約1.5€
- 鶏レバー1kg:約0.6€
- アジやイワシ1kg:約4€
- タコ1kg:約4€など
- みかん、りんご1kg:約0.7€
- 豆(ヒヨコ豆、黒豆、赤豆など)1kg:約1.3€
- ワイン1L:約0.7€
- 牛乳1L:約0.5€
- 水1L:約0.12€
その他安いもの
ほとんどのものは日本よりも安いです。
- チーズ(カマンベール・ブリー)1kg:約5€
- ハム1kg:約5€
- スパゲッティ1kg:約0.7€
- 米1kg:約0.5€
- パン1kg:約1€
- トマト1kg:約1.3€
- 玉ねぎ1kg:約0.6€
- ビール350ml:約0.3€
- チョコレート100g:約0.4€
- クッキー1kg:約1€
- 薄力粉1kg:約0.4€
そんなに安くはないもの
- オリーブオイル750ml:約3€
- にんにく1kg:約3.5€
1か月の生活費
食費
・1か月:約93€
・1日:約3.1€
これは、何度かした外食を除いた、純粋な食材費と酒代の合計額です。
何度か友人が遊びに来てパーティーみたいなこともしたので、若干高くなっているとは思いますが、酒代を入れてこの食費はなかなか安いのではないでしょうか。
僕たちは頻繁にお酒を飲む(基本的に毎昼・夕食にビールかワインを1人2杯程度。)ので、酒代を除くと大分安くなると思います。
▼キッチンに常備していた5Lの箱ワイン(白・赤)
食事と、食材を買う店
朝食は自分で作ったパン、昼食はスパゲッティかリゾット、夕食は肉または魚、野菜、豆、ご飯とサラダというメニューが定番でした。
▼こんなパン
▼ある日の夕飯。鶏むね肉、人参、じゃがいもとヒヨコ豆ご飯、黒豆ご飯。
▼別の日の夕飯。豚肉、サラダ、トマトと鶏肉の煮物、ヒヨコ豆ご飯。
▼バカリャウを焼いたもの(ポルトガルの国民食バカリャウを調理!)
とにかくじゃがいもが安いので、よく使っていました。
ポルトガルにはじゃがいもを使った料理がたくさんあります。
消費量は世界一ではありませんが、あのドイツよりも多いみたいです。
あとはワイン。
ポルトガルにはverde(ヴェルデ:緑)という微炭酸のワインがあり、豚肉・鶏肉・魚と相性がよく、美味しい上に安いです。
乾燥豆も安いです。
水で戻してから煮ておき、サラダにしたり、米と一緒に炊いたり、煮物にしたりと大活躍でした。
特に豆ご飯はおすすめです。ポルトガルの米を炊くときは、オリーブオイルを少し入れるとふっくらつややかに炊き上がります。
鶏レバーもかなり安かったので、下処理して小分けしたものを冷凍していました。
▼レバーとほうれん草とトマトのカレー
ポルトガルでおすすめのスーパーはPingo Doce。全体的に安いです。
他にMinipreço、continenteなどのスーパーも街なかに多くあり、物によってはこっちのほうが安いこともあります。
jumbo、LIDLなど大型のスーパーは、種類が多いので安いものを見つけやすかったです。
また、肉は肉屋、果物は八百屋の方が、基本的には安いです。
じゃがいもはスーパーの5kg入りが一番安かったです。
全体的な感想としては、安くて良かったと思います。
特にじゃがいも、豆、ワインの安さはすごいです。
逆に、にんにくやオリーブオイルはよく使う割にはあまり安くないです。
ビールも、ヨーロッパにしては安くないと思います。
スーパーのプライベートブランドなどは比較的安いのですが、ポルトガルを代表するビール2社(SuperBock、Sagres)はどちらも安くはありません。
その他の費用
何度か観光で街の中心まで行ったり、外食をしてお金を使いました。
▼近所の食堂の3€プレート
▼ポルト中心部のレストランのトリパス(ポルト風もつ煮)10€
家賃と食費の合計
・1か月半合計:497€
・1か月:332€
・1日:約11€
・1か月半合計:約140€
・1か月:約93€
・1日:約3.1€
・1か月半合計:約637€(約84721円)
・1か月:約425€(約56525円)
・1日:約14.2€(約1889円)
※レートは2018年1月頃のものを適用
これは全て2人分の金額です。
1人の場合はこれの2/3くらいに収まるかと思います(同じような過ごし方をした場合)。
その他外食、観光などは人それぞれだと思います。
予算に余裕があれば、Airbnbで料理教室に行ったり語学を学んだりしても楽しいと思います。
部屋を借りて長期滞在をするメリット
シェアメイトと交流できる
僕たちはブラジル人、ポルトガル人、フィリピン人と一緒でした。
フィリピン人のシェアメイトは料理好きで、毎日彼の料理を見るのが面白かったです。
短期滞在ではできないことができる
例えば、牛乳や乾燥の豆は短期では使いにくいし、作り置きや食材の小分け、手の込んだ料理などはホステルではやりづらいです。
5Lの箱ワインを買えたのも、薄力粉からパンを作ったりできたのも長期滞在ならでは。
▼小分けしたり
▼オートミールクッキー作ったり
▼ワイン塩作ったり
▼ホームパーティーでピザ作ったり
気持ち的にのんびりできる
宿ではなく家なので、誰にも気を遣わずに済み、楽です。
「暮らし」感がある
スーパーや八百屋、肉屋で食材を買い、自炊をする。これを繰り返しているだけなのですが、やっぱり「暮らし」感が味わえます。
「旅」モードではなく「暮らし」モードで過ごしているので、見えるものや感じることが違って面白いです。
僕たちの理想は、「いろいろなことに興味を持って、丁寧に心豊かに暮らすこと」。
エコバッグを持ってスーパーや肉屋へ買い物に行くとき、窓から見える夕日で1日の終わりを感じるとき、鍋で炊いたご飯の具合がちょうど良かったとき。
日本に住んでいるときや旅中とはまた違った感覚で、「幸福」や「豊かさ」について考えることができました。
さいごに
実際にポルトガルで部屋を借りて滞在して感じたのは、すごく楽しかったということ。
冒頭にもかきましたが、別に旅に疲れていたとか飽きていたとかいうことは全く無かったのですが、とにかく違った視点を持てたことが良かったです。
また他の国でもやりたいなと思っています。
ポルトガルが特別おすすめというわけではないので、お気に入りの国や興味のある国で是非やってみてください。
きっと普段の旅とは違った視点を持てると思います。
Comments