シュンです。
メキシコを出てグアテマラに来ました。
中米も面白そう。
フンザを出る日
2017/5/29 フンザ(カリマバード)
メイは毎日夕方になるとカバブが食べたくて仕方なくなるみたいだ。そしてフランシスも同じらしく、二人でハイタッチしていた。
フランシスとは散歩の後にカバブ屋で待ち合わせをしていたが、結局来たのは食べ終わった頃だった。
「本当にスマン!」
ここまでバイクに乗せてくれた人と話し込んでいたらしい。
まあ全然いいよ、もちろん先に帰るけど。
宿に戻ると、ちょうど停電になっていた。
▼貴重な停電時の写真
2017/5/30 フンザ(カリマバード)~アーリアバード~グルミット~ススト
▼移動情報
チェックアウトをして、中国との国境に一番近い街スストに向かう。
スストに一泊して、明日朝のバスで国境を越えて中国に行く予定だ。
まずはフランシスが昨日新しく買ってきたジャムを借りて、朝食を食べる。
「おはようフランシス!ジャム貸して!」
「君は僕と話す前にジャムをくれっていうのか!」
2か月半前にインドのダージリンで買った紅茶がなくなった。
これは本当にうまかったな。
日本にいたときはダージリン(紅茶)はそんなに好きじゃなかったけど、これを飲んで少し好きになった。
そういえば、チャイを飲んでいるパキスタン人が2人くらいいたけれど、彼らはラマダーンをしていないようだ。
部屋でパッキングをしていると、フランシスがどこかでチェリーを摘んできてくれた。
お腹の調子がまだ良くないならこれを食べると良いよ、と。
それから色々とパキスタン/中国の国境情報を教えてくれた。
日本と中国の領土問題について聞かれたら、「I dont know anything about that plobrem.」とだけ答えろと言われた笑
おせっかいだ。
ちなみに、山本さんは2時間ほど前にパスーという村へ向かったみたいだ。挨拶くらいしてくれよ笑
絶対に明日の国境越えバスでまた会うと思うんだよな。
記念写真を撮って、チェックアウトをした。
ヒッチハイクでスストへ
カリマバードのゼロポイントに出ると、近くの商店のおっちゃんが出てきて、どこに行くんだ?と聞いてきた。
スストだと言うと、それならアーリアバードまで出てバスに乗るのが良いと教えてくれた。
こんな風に、スッと親切な人が出てきて何かを手伝ってくれたり教えてくれたりするのがパキスタンの凄さだ。
アーリアバードはスストとは反対方向なんだけど、まあここよりは大きな街だから、そこからスストに行くバスの乗り場があるのだろう。
ヒッチハイクというか、おっちゃんが通りかかった車にアーリアバードに行くか聞いてくれて、それに乗せてもらえることになった。
乗せてもらった車には他にも人が乗っていた。
このあたりでは、本当にヒッチハイクが根付いている。
しばらくして、アーリアバードの街に到着した。
お礼を言って車を降りる。
お腹が空いたので屋台でフライドポテトとサモサを買い食べていると、歩いていた人に話しかけられた。
「ラマダーン中だからあっちの端の方で食べたほうがいいよ」
そうだった。
普通に食べ物を売っていたし買っている人もいたから、忘れていた。
それにしても、かなり親切な言い方だった。
ラホールとかではもっと多くの人(子どもや病人以外)が断食をしていると思うけれど、この地域ではかなり緩そうだ。
アーリアバードの街の外れまで歩き、ヒッチハイクを再開する。
すぐに続けて何台か停まってくれたが、どの車もスストまではスペシャルブッキングでしか行かないようだった。
お金を払って目的地まで乗せてもらうことを、スペシャルブッキングという。つまり、有料ヒッチだ。
停まってくれた人たちも、自分の行き先と同じだから無料で乗せてあげるのか、それとも別の場所だからスペシャルブッキングと言うのかを、すぐに判断する。
これは「車を運転している人が歩いている人を乗せてあげる」という文化があるからこそだと思う。
スストまで行く車はなかなか見つからなかったので、とりあえずカリマバード行きの車に乗せてもらって幹線道路の分岐点のところまで戻ることにした。
今日のヒッチハイク2台目。カリマバードに行く車はすぐに見つかり、さっき来た道を戻って分岐点で降ろしてもらう。
分岐点で立っていると、すぐにトラックが停まってくれた。
「どこに行きたいんだ?」
「ススト!」
「スストまでは行かないけどグルミットに行くから途中まで乗せてやるよ」
「じゃあ、あそこのブリッジまでお願いします!」
カリマバードからスストの方へ行く道路(カラコルムハイウェイ)沿いに橋があり、そこに警察の検問所がある。
その検問所で待っていれば、警察の人が乗せてくれる車を見つけてくれるという話をフランシスから聞いていた。
「椅子に座っていればポリスが車を見つけてくれるよ」
まったくフランシスは。
グルミットがどこにあるのか分からなかったが、OKと言ってくれたので、トラックの荷台に乗り込む。
荷台には普段何を乗せているのか分からなかったけれど、油と泥まみれでギトギトだったのでバックパックを背負ったまま立った。
トラックはすごいスピードを出していて、掴まっていないと飛ばされそうだ。
と思っていたら、風圧でバックパックのカバーが外れて道路に飛んでいった。
慌ててトラックの窓を叩いて止めてもらい、事情を説明してUターンしてもらうと、帰宅中の小学生の男の子が気づいて、拾って走って持ってきてくれた。
パキスタンの人は本当にみんながみんな親切だ。
カバーを付けなおして、今度は荷台にあった麻袋の上に置いた。
橋に着いて、検問で停車する。
お礼を言って荷台を降りると、スストに行くならグルミットは途中だから乗って行っていいよ、と言われた。
地図でグルミットの場所を確認して、ありがたく乗せてもらうことにして荷台に戻る。
トラックは相変わらずものすごいスピードで進んでいく。
このカラコルムハイウェイの景色が本当にすごかった。
この旅で見た絶景の中(あまり絶景は見たことがない)で、ここ以上はない。
トラックの荷台でこんなスピード感でこんな絶景の中を走るなんて、なかなか経験できないことだと思う。
急カーブや急ブレーキで足を滑らせたりしたら、多分死ぬだろうなと思った。
でも、全身で絶景を感じている感覚が気持ちよかった。パキスタンはすごい。
さすがは世界のチャリダーが憧れるカラコルムハイウェイだ。
一つ目のトンネルの前で、またポリスチェック。
パスポートと父の名前をノートに記入した。
トンネルの中は真っ暗で、スピードのせいか風も強いし異常に寒い。
怖くて、棒を掴む手に汗を握る。
岩山を貫く暗くて長い一直線のトンネルを何度か抜けると、水色のきれいなアッターバードレイクが見えてきた。
ちょうどポリスチェックがあったので、荷台を降りて記念に写真を撮った。
しばらくして、グルミットに到着した。
ここはなんにもない。
ヒッチハイクをしようと思って何台か聞いてみたが、グルミットまでしか行かないという人が多かった。
なので今いるところより先にグルミットの市街地があるのかなと思って近くにいた人に聞くと、向こうにバザールがあると教えてくれた。
じゃあそっちまで行くか、とバッグを背負ったところでちょうど車が通り、グルミットの市街地まで乗せてもらえることになった。
数分で着いたが、そこは商店と宿がすこしあるだけで、バザールというほどでもない場所だった。
ヒッチハイクを再開してしばらく続けてみたが、そもそも車がほとんど通らないし、停まってくれてもスストまで行く車は全然ない。
商店でジュースやチョコを買って休憩を挟み、ヒッチハイクにこだわらずバスや乗り合いの車が来たら乗ろう、と思って待っていたが、バスも乗り合いも全く来なかった。
数十分経った頃、若者4人組が商店に買い物に来た。
聞いてみると、スストに行くらしく「乗っていいよ」と言ってくれた。
いとこ同士の4人組で、みんな大学生。
大学ではなにを勉強してたの?
どこにいくの?
どこからきたの?
どこの国に行ったの?
どこの国がよかった?
などいろいろ会話が盛り上がり、楽しく過ごした。
▼このあたりの伝統の帽子を貸してくれた
途中でパスーという村を通った。
この村の近くでは氷河を見ることができて、観光客もけっこう来ているらしい。
▼これも写真では伝えきれない迫力
スストに着いて、ありがとうと言って車を降りた。
▼今回の移動
歩いて宿を探して、800ルピーの宿で決めようかと思ったところで客引きに声をかけられ、500ルピーの部屋があると言われた。
紹介されたリバービューゲストハウスという宿は奥まったところにあり、宿泊客は誰もいなかったが、部屋は普通だったのでそこに決めた。
荷物を置いて、明日のタシュクルガン(中国新疆ウイグル自治区)行きの国境越えバスチケットを買いに行く。
バスのチケットは宿や旅行会社などで買えるようだったが、NATCOのオフィスで買うのが一番安かった。
何社かが運行しているのかと思っていたけれど、NATCOのバスしかないみたいだ。
一人2500ルピー。明日朝9:00のバスだ。
道端の屋台で揚げ餃子風サモサや野菜の揚げ物を売っていたので少し買っておやつにした。
ここのおっちゃんはリンゴ農園の勉強で日本の青森に行ったことがあるらしい。
こんなパキスタンの端っこで日本に行ったことがある人に会うとは。
しかもパキスタンなんて何もしなくてもおいしいフルーツの木がそこら中に生えているのに、日本に勉強をしに行くのか。
青森のリンゴはそんなにすごいのか。
水を買って宿に戻ると、電気が来ていた。
水道から水も出たのでシャワーを浴びると、かなり熱いお湯が出た。
しかも水圧も強い。
こんな良いシャワーはいつぶりだろう。
パキスタン最後の夕飯
パキスタン最後の夕飯なので、チキンカライを食べようということになり、歩いて店を探す。
おいしそうなスープ麺を出しているところを見つけて、一杯もらった。50ルピー。
トマトスープパスタのような料理で、見た目通りの味だった。
探していたチキンカライはなかったので、チキンカレーを頼んだ。
チキンカレーは塩味が濃すぎて、ちょっと気持ち悪くなった。
まだ体調が整っていないみたいだ。
揚げ物は大丈夫だったけれど、スパイスとか塩味の濃さとかですぐに気持ち悪くなる。
店のテーブルには、ポットに入った中国茶が置いてある。
ミャンマーやベトナムの食堂みたいだ。
味はベトナムでよく飲んだジャスミンウーロンに似ていた。
ああ、中国が近いんだ、と感じる。
峠を越えたら中国で、ここ3か月くらいいた南アジア文化圏とは全然違う世界があるのだと思うと不思議だ。
とは言っても、新疆ウイグル自治区なのでいわゆる「中国」ではないと思うけれど。
明日は国境での荷物検査がかなり厳しいと聞いたので、バックパックのパッキングの仕方をすこし変えようと思ったが、停電したので寝ることにした。
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