シュンです。
今メキシコのサン・クリストバル・デ・ラス・カサス(長い!)の宿で管理人をやっているんですが、お客さんが誰もいないのでもはや家です。
犬と猫と4人暮らし。
こんな経験なかなかない。
世界旅行記、2017年6月の中国編です。
各国の旅行記、コラム、情報のもくじはこちら(世界一周)から。
没有(メイヨー)
2017/6/1 中国 新疆ウイグル自治区 タシュクルガン
朝食にお粥を食べようと昨日の夜の店に行ってみたら、八宝粥は「メイヨー(無いよ)」。
えええ。
「メイヨー(没有)」とは中国語で「ない、いない、しない、持っていない」などの意味で、中国では本当によく聞く言葉の一つだ。
どこに行ってもメイヨーばかり聞こえてくる。
何をそんなに否定しているんだ、といつも不思議に思うけれど、本当に色々な場面でよく聞くのだ。
まあそれは良いとして、お粥食べたかったのに…
代わりに、おばちゃんに勧められたちまきを頼んだ。
7個で17元、うまかったけど、ちょっと高いよおばちゃん。
それから宿の隣の店で、大きな餃子のようなものが2つで4元。
これもうまかった。
宿の共有スペースでくつろいでいると、山本さんが今日の夕飯をおごってくれると言ってくれた。
若い頃、年上の人にたくさんおごってもらったので、今度は自分が若い人におごろうという使命感があるらしい。
僕たちも同じことを考えているし、山本さんから声をかけてくれたのは嬉しかった。
タシュクルガンの街を散策しながら昼食を食べる店を探す。
やっぱりこの街は辺境だからか、どこも高い。
早餐(朝食メニュー)の粥はやってないし、麺類も15元(約225円)とか。
他の中国の都市では7,8元だった麺料理が2倍の値段だ。
しかたなく15元で麺を食べることにする。
牛肉面とか排骨面とかいろいろあったけれど、重慶小面というのを選んだ。
重慶小面なら辛くてガツンとしたものが出てくると思った。
それで出てきたのは、素うどんに目玉焼きが載っただけのような料理。
あー、同じ値段なら牛肉面にすればよかった。
そもそもこれって重慶小面なのか?
勝手に赤くて辛いスープの麺料理を想像していた。重慶小面とは、あの辛い麺ではなくて、ただ単に重慶の小面(麺)を使っているということなのだろうか。
辛いどころか、透明で味もないし。
食後も街をぶらついた。
タシュクルガンには、タジク族の人たちが多く住んでいる。
タジク族の女性は大人も子どももみんな舞台衣装のような華やかな服を着ている。
壮大な自然の景色とタジク族の華美な服装、そしてそこかしこにいる中国警察ときれいに整備された道路。
ちょっとずつのミスマッチが、「中国新疆ウイグル自治区」の違和感を形成している気がする。
高地特有のひんやりした空気がこんなに気持ち良いのに、どこか重苦しい雰囲気が漂っている。
夕飯、新疆ウイグル自治区だけど今日は中華
夕飯は山本さんと3人で火鍋の店に行った。
昼に辛い麺が食べられなかったから火鍋にしたのに、行ってみたらまた「メイヨー」。
いやいや、火鍋の店でしょ?
仕方なく砂鍋と麻婆豆腐を注文した。
新疆(ウイグル自治区)のビールで乾杯。
ここの前にいたパキスタンはイスラムの国だし、インドではビールはあまり安くないし出している食堂も少なかったので、久しぶりのビールだ。
麻婆豆腐は唐辛子がたっぷり入っているけれどそんなに辛くはなくて、そのかわり花椒がかなり効いていてみんなでヒーヒー言って痺れながら食べた。
砂鍋には春雨やきくらげや葉っぱなど色々な具材が入っていて、おいしかった。
両方ともかなり濃い目の味付けだったので、ビールもご飯も進む。
僕たちは3人で2品で十分だったけれど、周りの客は女3人で3品頼んだりしている。
絶対食べきれないだろうなと思ってたら、案の定ほとんど残していた。
どのテーブルにも同じようにたくさんの食べ残しがある。
もったいないけど、これも文化なのか。
徐々に変わっているとは聞くけれど。
それにしてもやっぱり中華料理はうまいな。
ここは新疆ウイグル自治区だけど、安食堂やレストランの看板には「四川特色」とか「重慶火鍋」とか漢族の店ばかりで、ウイグル族の文字で書かれた看板やメニューはあまり見なかった。
新疆ウイグル自治区は国際的には「中国」の一部だけど、住んでいる人や文化は僕たちが知っている「中国」ではない。
レストランの看板やメニューが示す通り、漢族の住民もかなり多いように見える。
でもそれは中国政府の西方への植民政策が影響しているという話も聞いた。
歩いてみた感じかなり穏やかで平和な街に見えるけれど、街なかにはたくさんの武装警察がいる。
言葉は悪いけれど、人民政府による「侵略」や「抑圧」という言葉が頭に浮かぶ。
中国という国や中国人は好きだけど、人民政府のウイグルやモンゴル、チベットに対する政策は良いとは思えない。
宿に戻ると、部屋にバッグが2つあった。
うわー、人来たな。ここ一応女子ドミなんだよな。と思っていると部屋に女性が入ってきて、聞いてみると台湾の人で、ウクライナ人の彼氏と旅をしているらしい。
カップルでよかった。
二人はマレーシアからタイ、中国とヒッチハイクで旅をしているらしい。
タシュクルガンには、カシュガルからレンタカーで来たと言っていた。
カシュガルに戻ったら中央アジアを抜けてウクライナまで行くそうだ。
それにしても、ずっとヒッチハイクって本当にすごいな。
ウクライナ出身の彼氏ミシャは中国の広州で1年くらい働いていたらしく、中国やアジアについて興味や知識がある。
もしウクライナに来るなら家に泊めてやるよ、と言ってくれた。
いつになるか分からないけれど、是非泊めてもらおう。
寝る前に、ついに飛行機のチケット(一時帰国)を取った。
6月7日、カシュガル→大阪、21000円。
大阪からは夜行バスで東京に帰る。
まあまあ安い。わざわざ中国に戻ってきた甲斐があった!
ってことで、明日カシュガルに行くことにした。
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