メイです。
日本に帰ってきて1ヶ月以上が経ちましたが、すでに体重が5kgほど増えてしまいました…
食べている量はそれほど変わらないので、たぶん動かなくなったからかなぁ。
旅中は毎日歩きまくってたからなぁ。やばいなぁ。
伝統工芸と仕入れ
2017/8/13 イラン シーラーズ~ヤズド
今日は夜にシーラーズを出て、ヤズドに夜行バスで移動する。
それまでに、初めてバスキング(路上パフォーマンス)に挑戦してみようと思っている。
チェックアウトをして、まずはバザールでいろいろ物色。
▼宝の山
▼イランでは金髪に染めたマダムをよく見かける
▼「ナザールボンジュウ」という、邪視から災いをはねのけるお守り
▼ナザールボンジュウのブレスレット
▼銅にエナメルで彩色してある「ミーナカーリー」。
バザールの中で、ハンドメイドの作品を売っている一角を見つけた。
若い作家さんが作った作品をその作家さんが売ってるという、今どきの小ぎれいな空間だ。
置物、アクセサリー、時計、絵画、タイル。
オリジナリティのある作品ばかりで、いつまでだって居られそうなくらい楽しい。
ここで、すごく可愛いアクセサリーに出会った。
「ハータムカーリー」というイランの伝統工芸を使ったアクセサリーだ。
日本の寄木細工に似ているように見える。
ハータムカーリは木材の他にラクダの骨、真鍮、貝殻などが使われている。
▼細く切った材料をこのようにまとめる
▼それをつなげたものを金太郎飴の要領で薄く切ると、このように
▼このシートが伝統的な小物入れや家具、バックギャモンのボードなどさまざまな製品に使われる
▼小さな材料が集まってできているので、手で強く触るとボロボロ崩れる
悩みに悩んだ結果、この指輪を仕入れることにした。
私たちは海外で気に入ったものをネットショップで売っている。
趣味でやっているので、売るなら「売れそうなもの」ではなく「自分が欲しいもの」を売りたい。
自分がいいと思ったものを、他の人にもおすすめしたい。
でもそういうものって、サイズ的にも値段的にもバックパックに入れて持って帰れるようなものじゃないことが多いからなかなか出会わないし、実際この旅で何かを仕入れようと思ったことはまだ一度もない。
でもこれは自分も欲しいし、持って帰れるサイズだし、値段も高すぎないし、イランならではのものだし、他で見たことがないし、いいんじゃない?
ということで、いくつか買ってみた。
旅のお金はちょっとキツくなるけど、まぁ、大丈夫。
まとめ買いしたのに、まったく値下げしてくれなかったのはちょっと不服だけど、いい買い物ができたと思っている。
▼商品が気になる方はこちら
フェラフェルと麺のアイス
例によって今日もフェラフェル。
だってもう、これしかないもん。
まずくはないけど、特段おいしくもない。
他のものが食べたい。でも安い外食がこれしかない。
アイス屋さんにも行った。
シーラーズ名物の、麺のアイス「Faloodeh(ファールーデ)」の味見させてもらったけど、ローズの味がちょっと苦手で、結局普通のチョコアイスを頼んだ。
▼食感はおもしろかった。表面がにゅるにゅるしている凍った甘いそう麺みたいな感じ
初めてのバスキング
さて、そろそろバスキングをしよう!
17時ごろ、北のバザールと南のバザールの間の広場のようなところでやることに決めた。
わたしがやろうと思っているバスキングは、書道バスキングだ。
その人の名前に漢字をあてて書いてあげるというもの。
シュンはその補佐とお客さん対応担当。
ありきたりだけど、一応書道経験者だし、書くことは好きだし、わたしもペルシャ語で自分の名前書いてもらいたいし。
バックパックの中で邪魔になっていた、100均の筆ペンとハガキセットを使うときがやっと来た。
とりあえず、インドで10円くらいで買った敷物を敷いて座る。
それだけでなんだなんだと人が集まってくる。
あたふたする私たち。
「私たちは世界中を旅している日本人です」という言葉を、近くのスパイス屋の兄ちゃんに聞いてノートに書いてもらう。
さあ、準備OK。
家族連れやおっちゃんを中心にけっこう立ち止まって見てくれる。
でも、私たちが何をしているのかわからない人が多い。
そりゃそうだ。
英語で説明をすると、数少ない英語が通じる人が、他の不思議がってる人に説明してくれる。
だんだんと、「じゃあ書いてくれ!」という人が現れた。
書くと、「ありがとう!」と言って去って行くが、チップをくれない。
おそらくバスキング文化、チップ文化がないのだと思う。
「いくらなの?」と聞いてくる人もいる。
特に値段も決めていないから口ごもる。
そんな中、最初にチップをくれたのは、家族連れのお父さんだった。
気に入ってくれたのか、1枚持って帰ったあと、戻ってきて追加で注文しにきてくれた。
その後、自分の電話番号とお礼の言葉を書いた手紙をくれ、困ったことがあればいつでも電話してきてねと言ってくれた。
だんだんとお客さんが集まってきたけれど、中にはただお金を入れてくれて立ち去る人も出てきた。
もしかしたら、わたしの服がよれよれのダボダボで靴下が破れていたから、物乞いと思われたのかもしれない。
そうだったらめちゃくちゃショックだ……。
あるおじさんがずっと話しかけてきて、オーブミーヴェ(ジュース)を買ってきてくれた。
暑かったので本当に本当においしかった。
そのおじさんはその後1時間くらいずっと私たちの横にいて、人が寄ってくる度に、「こいつらは日本人で、名前を日本語で書いているんだ。お前もやったらどうだ!」と客引きをしてくれた。
女の子に漢字を書いてあげたら、チップボックスに硬貨を入れてくれた。たぶん2000リアルだったと思う。
2000リアルは10円以下。
わたしはそれでも全然良かったのだけれど、それを、さっき書いてあげた違うおじさんが、硬貨をチップボックスから拾って20000リアル札に代えてくれたのがすごく印象的だった。
あっという間に2時間経っていた。
結果、ほとんど人が途切れることはなかった。
一瞬みんないなくなっても、一人立ち止まるとどわっと人が集まる。
最後は日本語を話すおっさんが来て、怪訝そうな顔で「日本人?だめよ、大使館と警察に許可取らなきゃ」と注意された。
周りの人は「気にすんな、アイツはクレイジーだ。もう行ったから続けろ」と励ましてくれる人もいた。
中には「今日はもうやめておいた方がいい」と言う人もいた。
私たちもバスキングが法的にグレーゾーンだということは知っていたし、注意されたらすぐにやめるつもりでいたので、すぐにやめて退散した。
宿に戻ってお金を数えた結果、650000リアル(約2000円)。
時給1000円!初めてにしては上出来だ。
よーしこれでフェラフェル以外も食べられるし、マントも買える!
初めてバスキングをしてみての感想。
・緊張しなかった
わたしは大勢の人の前で何かをするのは嫌いで、やりたくないなーとずっと渋っていたけど、わたしは書くのに集中するだけでよかったから意外に大丈夫だった。
・自分の技術で稼げた
以前タイでヘアカットをしてあげてお金をもらったことがあったけれど、やっぱりすごく嬉しい。
・自分で納得できていないものを売るのは、ちょっと気分が悪い
もっといいものを作らないと、お金をもらうのは申し訳ない。
改善できるところはして、もっとオリジナリティを出したい。
・バスキングは賛否両論
今回、通りすがりのおばさんに「なぜ日本人がイランでお金を集めているの?」と怪訝な顔をされた。
「なぜイランより裕福な日本人がこんなことをしてイラン人からお金を取っているの?」と解釈した。
全体的に楽しかったけれど、その一言が頭から離れなくて楽しみきれなかった。
何をするにも批判はつきものだけれど、自分の国ではないところでグレーなことをしているのだから、よく考えなくてはいけないなと思う。
私たちがバスキングをする目的は、現地の人たちと交流するためだけではない。
だからなおさら、クリーンな気持ちではない。
私たちは世界を旅しているのでお金は一応あるのだけれど、常に節約しなければ旅が続かない。
「お金はあるけど、ない。」
そんな事情、イランの人からしたら知ったこっちゃない。やっぱりお金はあるんじゃないか。
訪れた国で、その国の人を嫌な気持ちにはさせたくない。
夜行バスでヤズドへ
夜ごはんはケバブ。
今日はちょっと豪華にコーラも。
小さいコーラの缶を1人1本ずつ飲めることが嬉しい。
会計で、計算してたより少し高くない?と思ったけれど、ちょっとお金が入ったせいか、ま、いっか!と納得してしまった。
時間がなかったというのもあるけれど、少しでもお金に余裕を持つと、人ってこういう行動になるんだな、と自分の行動に納得してしまった。
バスターミナルまで歩いて、23時にヤズドに向けて夜行バスが出発した。
すごく疲れてたのに、あまり眠れなかった。
初めてバスキングをして、冷静なつもりだったけど興奮していたのかも。
バスキングについて、いろいろな考えがぐるぐる巡った。
Comments