メイです。
世界旅行記、2017年9月のアルメニア~ジョージア編です。
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エレバンからトビリシへ
2017/9/3 アルメニア エレバン~ジョージア トビリシ
今日はエレバンを出て、ジョージアのトビリシに向かう。
リダの家には、結局7泊した。
私たちが泊まっているあいだにここに来た旅人は、だいたい2泊くらいで出ていってしまうので、7泊もする人はなかなかいないのだと思う。
だけどリダは、初日から変わらず私たちのことを「ジャパン」と呼ぶ。(私たちに限らず日本人は最初「ジャパン」と呼ばれる)
こうきは気に入られたのか2泊くらいで「コキ」と呼んでもらっていたのに!笑
最後まで名前を覚えてもらえなかったな~
毎日外を出歩いていてそんなにたくさん話す機会がなかったからな~
だけどきっと私たちはリダのことは一生忘れないんだろうな~
▼リダにヒッチハイクの次の地点の場所を書いてもらった
最後に写真撮影。
リダの孫のアラムは、頑なに写真に映りたくないらしい。そういうお年頃。
写真を撮ったあと、リダの手でほっぺを包まれてちょっと泣きそうになってしまった。
ありがとうございました。
▼見えなくなるまで手を振ってくれるリダ
エレバン駅の地下でピロシキを買う。
50ドラム(約12円)って安すぎ。
大通りでヒッチハイクを開始。
マルシュルートカ乗り場と被ったら嫌なので、少し離れたところでやってみることにした。
でもやっぱり、マルシュとタクシーが多くてやりにくいなぁ。
と言いつつ、わりとすぐに車が止まってくれた。
車に駆け寄って、ドライバーのおじさんにどこまで行くのかを聞いてみるけれど、言葉が通じないのでおじさんの目的地がわからない。
この人はどこに向かっている途中で、私たちをどこまで乗せてくれるんだろう。
でも掲げている地名を見て止まってくれたのだから、見当違いなところには行かないだろう。
とりあえず、地図上でヴァナゾールというところを指差すと頷いてくれたので、そこまでは行くことになった。っぽい。
おじさんにはヒッチハイクやオートストップという言葉も通じていないみたいだったので、いちおう「お金、バツ(お金払わないやつだよね?)」みたいなジェスチャーをしたら、「ノーノーノー(いらないいらないという意味?)」と返されたので、多少の不安が残りながらも車に乗り込んだ。
なんとなく、コミュニケーションがしずらい人だ。
だいたいこういうときって、「◯◯に行きたいんですけど!」「じゃあ◯◯に向かってるから◯◯まで乗せてやるよ!」的な会話が、言葉があまり通じなくてもスムーズに行くのだけど……。
おじさんは、全然笑わない。
無表情でシュンの服についている髪の毛を取ってあげていたのは、けっこう怖かった。笑
とても几帳面な性格なようで、ハンドルをぎゅっと握りしめ、常に前のめりの姿勢で左右をよく確認しながら運転している。
また、周りのドライバーの行動にも過剰に反応する。
運転マナーが少しでも悪いと、右手をハンドルでカツカツ鳴らしながら独り言でブツブツ怒る。
イライラすると窓から声を荒げて暴言を吐くので、こちらはかなり気まずい。
かといって自分は駐車のときには3台分の場所を取っていたし、デコボコの地面を避けるときにハンドルをゲームみたいに切るので振り落とされそうになったり、何もない道路で50km/時で走っていたかと思えば、急にアクセルを踏んで80km/時オーバーで前の車を抜かしたり。
タダで乗せてもらってなんだけど、この車に乗っているとものすごくストレスが溜まる。
でも、道路沿いで売られている桃を買って分けてくれたり、コーラをくれたりしたので、ただ単に不器用な人なのかな、と思った。
ヴァナゾール付近になったので降ろしてもらおうと思ったら、なんか国境の方まで行ってくれるらしい。
表情が変わらないのでおじさんの考えていることが読み取れなくて、親切なのかなんなのかよくわからない。
途中、とにかく眠くて眠くて、でもヒッチハイクで止まってくれた人の車で寝たら失礼だと、ほっぺを叩いたりしながら頑張って目を覚ました。
あと30分くらいで国境に着くという地点で、なぜか昼休憩を挟んだ。
トビリシの宿で待っているこうきと夜景を見に行く約束だったけれど、それにはもう間に合わなさそうだ。
道できゅうりとトマトとナンとチーズとマスカットを買って、私たちにもくれた。
早く食べ終わって出発したいからすごい勢いでマスカットを食べていたら、好きだと勘違いされたのか、マスカット売りのおばちゃんがもう一房くれた。
いや好きだけど!笑
再出発。
と思ったら、おじさんに何度も電話がかかってくる。
おじさんはそのたび車を端に寄せて止める。
そして電話に出たと思ったら、怒鳴り散らして切る。
何度目かの電話で、おじさんが私たちに電話を渡してきた。
声の主の女性は英語で「どこに行きたいの?」と聞いてきた。
「今日トビリシに行きたいです」
「わかった。歩いていくの?」
「いえ、ヒッチハイクです」
「ん?」
「オートストップです」
「ああ。彼に代わって」
「はい」
ちょっとして、また女性に聞かれた。
「ボーダーに行くの?」
「そう、ボーダーです」
「わかった」
なんか伝わったみたいだけど、なんで今さらこの確認?
そして、もうすぐ国境に着くというところで、おじさんが私たちに何かを言ってくる。
おじさんをイラつかせてはいけないと必死に理解しようとするが、全然わからない。
おじさんが紙に数字を書く。
国境から先のバスの番号でも教えてくれてるのか?
あまりに通じなくて、おじさんがまた女性に電話を繋ぐが、話が通じない。
もしかしてと思って、「これはタクシーですか?私たちはお金を払う必要がある?」と聞くと、「そうよ。」と。
え?このおじさんはどこかに行く途中に乗せてくれた人じゃないの?と思って、「このおじさんはこの後どうするの?」と聞くと、「は?このあと戻るわよ」。
まさかね……
18時近くに国境に到着した。
もうわかっていたけれど、試しに「ありがとうございましたー」と言って去ろうとしたら、案の定「お金は?」と引き止められた。
うん、もうわかってた、わかってたけど、90ドルって。
は?なに言っちゃってんの?という値段を言ってきた。
それに、気まずいシーンとか我慢したり、7時間寝ないで起きてたり、時間めちゃくちゃかかったりしたのはヒッチハイクだから仕方がないと思ってたのに、タクシーだったのかよ!寝ればよかった!
90ドルなんて、そんなお金は払えない。
そもそも現金は今少ししか持っていないし、ヒッチハイク(オートストップ)なのかも確認したじゃないか。
と言っても通じない。
電話の女性も含め、しばらく口論をするけれど、まったく埒が明かない。
あっちもだけどこっちも確認不足ということで、今持っている現金全部の6700ドラム(約1530円)を払おうとしたけど、全然足りないからと受け取ってくれない。
しばらくするとタクシー運ちゃんたちが見かねて集まってきて、その中で一人だけほんのちょっと英語がわかる人がいた。
その人は「ヒッチハイク」の意味も知っていて、間に立って話を聞いてくれた。
私たちの状況をいろいろ説明すると、彼はおじさんを説得し始める。
そして、6700ドラムを支払うことで話がついた。
うぅ、ありがとうございます(涙)
本当に救世主だった……
はぁ。ヒッチハイクは難しい。
乗せてくれる人の好意で成り立つので、こちらが強く出れないのもあって、最初から不安を感じながらも最後まで乗って案の定こういうことになってしまった。
こっちもちゃんと人を選ばなきゃだめだ。
それと、ヒッチハイクだとしっかり確認できないと乗っちゃだめだ。
おじさんもだけど、私たちにも否があるし、反省した。
ジョージア入国
アルメニア/ジョージアの国境はザルで、荷物検査もなかった。
通貨はドラムにかわってラリになった。
ジョージアに入国し、ここからまた懲りずにヒッチハイク……。
ヒッチハイクは今日はもうやりたくないなと思ったけれど、ここでタクシーに乗ってしまったら金額的にさっきの車に乗ってきた意味がなくなる。
あんなに頑張ったのに、それは悔しい。
わたしが紙に「トビリシ」と書いている間に、さっそく1台の車が停まってくれた。
先ほどの反省をふまえ、「これってヒッチハイク(オートストップ)だけど大丈夫だよね?」と確認すると、「もちろん!当たり前じゃないか!」と笑われた。
この笑顔……信用しかできない……
この人たちを信用できなかったら他の誰を信用できるのかというほど、初対面なのに一発で好きになった。
アルメニアの小さな村から来た、ユリさんとエマさん夫婦。
すごく優しくて安心したせいか、警戒心や緊張で穏やかではなかった心が少し浄化された。
途中「ちょっとだけ止まっていいか?」と聞かれた。
「もちろんいいよ!」
「何が飲みたい?」
「え!買ってくれなくてもいいよ!自分で買いに行く!」
「いいからいいから座ってて、何が飲みたい?」
「コ、コーラ……。」
巨大なピロシキとコーラを買ってきてくれた。
油っこいピロシキにコーラが合うんだこりゃ~
そして再出発するとき、「待っててくれてありがとう」と言われた。
こっちがありがとうに決まってるのに、なんて優しい人なんだろう。
方向が違うので、途中の道で降ろしてもらった。
写真を撮って、村で採れたたくさんの野菜もくれた。
もうほんと、ほんとにほんとに優しかった。
そこからは、もう夜遅くなっていたのでタクシーで宿まで向かうことにした。
タクシーは最初20ラリ(約800円)と言われたけれど、交渉して8ラリ(約320円)になった。
日本人に人気の宿、コンフォートプラスに到着。
日本人がいっぱいだ~
こうきと約束していた夜景は見られず、みんなが飲んでいたビールをちょっとだけ頂いて、長かった1日が終わった。
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