メイです。
世界旅行記、2017年10月のウクライナ編です。
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ノックアウト
2017/10/28 ウクライナ ポルタヴァ
どういうこと?
最高に楽しい!夜はこれからだ!と思った次の瞬間、ベッドの上で目が覚めるって。
こんなにスッポリ記憶が抜けているのって、ほぼ初めて。
なんなんだ。たいして飲んだ覚えもないのに。
横で目を覚ましたシュンも同じことを言っている。
昨日の記憶は、途中から全くない。
シュンはチャガに「どこ行ってたんだよ、昨日急にいなくなって」と言われたらしい。
誰かが小屋から連れ帰ってくれたようでもなさそうだし、どのタイミングで、どうやって部屋に戻ってきたのか謎だ。
意識がはっきりしていなかったはずなのに、2人とも上着をちゃんと着ているのも謎だし、わたしが着ていたセーターは探しても見つからないのに、セーターに付けていたチェブラーシカのバッジは机に置いてあるのはもっと謎だ。
なにか変なもの飲んだかな。
誰かが持ってきたマムシ入りスピリタスが一瞬頭をよぎったけれど、もちろんそんなもの飲んだ覚えはない(飲んだのかもしれない)。
とにかく体がだるいし気持ち悪い。
何人かがキッチンにいる音がするけれど、心配されそうだし、今は出て行きたくないな。
シャワーを浴びたあと、ミシャママが「何か食べる?」と聞いてくれた。
今はパンやチーズやサラミなんかは、とてもじゃないけど食べたくない。
シュンに味噌汁を作ってもらって飲んだけれど、まだまだ調子は戻らず、だらだらとずっと寝ていた。
居間でイヴァンに会ったとき、「昨日超楽しかったのに、途中から記憶が全くない」と言ったら、「覚えてる?昨日シュンが俺に日本語で話してきたんだぜ。わからないって言ってるのにずっと喋り続けるんだ」って。
なにそれすごいおもしろい。
みんなは小屋に戻って、またわいわい始めるらしい。
「良くなったら来いよ」と言ってくれたけれど、とても行く気にはならない。
やっぱりみんなお酒強い。さすがウクライナ。
わたしだって昨日は長く楽しむために少しはセーブしていたはずなのに、気づいたらノックアウト。
お酒に強いはずのシュンも、あっけなく撃沈。
人の部屋で吐いてしまったことがショックなのと、ミシャに申し訳ない気持ちで気分も落ちている。
寝ていたときに不意に吐いたのなんて初めて。
惨めで情けない気持ちで、汚れたものを洗ったり、暖房で乾かしたり。
染みわたるブイヨン
昼過ぎ、とんでもなくお腹が空いてきてキッチンをうろつく。
そしたらミシャママが「ブイヨンは飲んだ次の日にいいのよ」と言って、グツグツ煮込んだスープを飲ませてくれた。
これがもう、とんでもなくおいしくて、じわじわとスープが内蔵に染みわたる感覚で、頭と体がはっきりしてきた。
わたしはもともとポトフとかポタージュとか、スープ類が大好きなのもあって、3回もおかわりをしてしまった。
よし、調子が戻ってきたぞ。
▼ねこと遊ぶ余裕も出てきた
さすがに飲み直したり大勢と話したりする元気はまだないけれど、動けるようになってきたので夕飯の準備を始めた。
作りながら、「料理好きなんだよね~、あ、シュンも料理好きだよ」と、”料理=女がするもの”だとは思っていないということをアピールしたくてそう付け加えると、ミシャママが「夫のセルゲイも、肉や魚をとっても上手に料理するの」と言われ、旦那自慢合戦みたいになって恥ずかしかった。
一昨日きんぴらを作ったとき、「にんじんだけじゃなく大根でも作れるし、ごまや唐辛子があるともっといい」と言ったのを聞いて、きんぴらを気に入ったミシャママは翌日それを買いに行ってくれたみたいだ。
だから今日はまたきんぴらを作った。
それと、とろろ昆布を出汁に使ったふろふき大根も。
わたしの横でミシャママが作っているボルシチは、”ポルタヴァ流のボルシチ”らしく、ビーツを含め野菜はすべておろし器で千切りにし、油で炒めてから、別で用意してあったスープに投入していた。
豆が入っていて、肉は入っていない(ベジタリアンの2人がいたからかも)。
レシピを教えたり、教えてもらったり、味噌を分けてあげたり、楽しいキッチン女子トーク。
小屋でのパーティは夕方には終わったらしく、さすがにミシャとイヴァンもお疲れモードだった。
夕飯、そしてキエフへ
料理が完成したので、家族みんなで夜ご飯。
また、お酒を飲みながら。
▼いままで食べたことのあるボルシチと味は違ったけれど、やっぱりすごくおいしかった。
▼きんぴらはまた好評。ベジの2人は辛いのが好きらしく、今日は唐辛子を多めにしたのが良かった。
▼ふろふき大根は、まず見た目がきれいだと喜ばれた。そして味も予想外に好評。2日目も味が染みておいしいよと言ったけれど、今日全部なくなってしまった。
味噌って外国人にはちょっと癖があって苦手かもしれないと思っていたのに、普通に受け入れられるとは。
さすが日本人と似た舌を持つ(とわたしは思っている)ウクライナ人だ。
料理はミシャママと時間をかけて作ったけれど、食べ終わるのはあっという間だ。
ミシャとイヴァンは体のわりに少食だから、ちょっと食べて「ごちそうさま」って感じ。
2人がベジタリアンなのも、ただ単に昔から肉の味が好きじゃないという理由で、そもそも食にあまり興味がなさそう。
私たちはこの後ポルタヴァを出てキエフに向かうバスに乗るので、荷造りを始めた。
その間に、ミシャママが粉からハチャプリを作っている。
すごいと思っていたら、それを出発する私たちに持たせてくれた。分厚いハムを挟んだサンドイッチとともに。
家にタクシーを呼んでくれた。
バスターミナルまで60フリブニャ。
3日間ありがとう。
映画の中を覗かせてもらったみたいな、本当に素敵な日々だった。
楽しかったパーティや寝ゲロ含め、忘れられない思い出がたくさんできたな。
23時頃バスターミナルに到着した。
お腹が空いたので、ミシャママが持たせてくれた分厚いハムサンドを食べた。
パンよりも分厚いジューシーなハム。これも本当においしかった。
バスは時間通り24時に、キエフに向かって出発した。
今日は1日中寝すぎて、バスの中で眠れる気がしないな。
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