メイです。
世界旅行記、2018年3~5月のモロッコ編です。
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イスラムの2面性
2018/3/29 モロッコ マラケシュ
今日もイスマイルさんのビサラ屋に。
昨日のタンジーヤのせいで、まだ胃がもたれている。
私たちがあんまり毎日来るもんだから、「マラケシュにアブド以外に友達でもいるのかい?」と聞かれた。
こんなに長くマラケシュに滞在する旅行客もそう多くないからね。
ビサラはいつも通りおかわり3杯、最後はおすすめされたのでオリーブオイルたっぷり!
うっぷ。
私は胃もたれが続いているので昼ごはんはスルー。
シュンはトマトとヨーグルトだけ食べた。
スークでねこちゃんと戯れ。
昨日見つけたスークのおしゃれなおじさんの革製品の店で、欲しかったメガネケースを作れるか聞いてみたら、あっさり断られてしまった。
あまりにもあっさりだったんで、このままは帰れない~
工房兼ショップのような店にメガネケースを作れるか試しに聞いてみたら、できるよ。と。
250dhでどうだ、とのこと。
いや~ちょっと高いな~
交渉を重ねて、180dhまで行ったので、それでもちょっと高いけど試しに作ってもらうことにした。
だけど、話を聞いていると、強度が弱そうなのだ。
サイドは硬い皮で作るけれど、メインは1枚のペラペラな布のみ。
これじゃあメガネ壊れるよね~と言うと、彼は俺を信じてくれ、という。
いやいや信じられん。
強度を高くしようとすると180dhじゃ作れないと言うし。
けっこうがっついてくる感じが微妙だったので、一回考えるから明後日また来る(明日は金曜)と言うと、帰れと。
交渉決裂。
でも、押しに負けずちゃんと断れてよかった。
ここで今後も頼めるかっていうと、あんまり信用できない人だったから。
話してて疲れる人は嫌だな。笑
交渉に疲れて、パレスに行こうと思っていたけれどやめて昼寝。
20時になってやっとお腹が空いてきた。
夜ご飯は黒人のおばちゃんのハリラ屋へ。
すごい人が集まって、ここはやっぱり人気店だ。
おばちゃんのハリラ。
酸っぱくて飲みやすいわけじゃないけれど、他のハリラを食べると物足りなく感じる。
じゃがいも&卵のサンドイッチ。
クミン塩とお酢をかけて食べるのだけど、シンプルなこれにハマりつつある。
席が空くまで近くで待っていたけれど、そこから席を見つけて料理が運ばれてくるまで、いろんなモロッコ人が助けてくれた。
「ここが空いたから座れ」とか、店員さんに「こいつらに早く席を用意してやれ」とか、「あいつらにまだ料理が行ってないぞ」とか、みんなが本当に気にしてくれた。
彼らは感謝とかは求めてなくて、本当に自然にやってくれる。
同じテーブルに座った人は、自分が頼んだデーツを分けてくれた(ハリラはデーツと一緒に食べる人が多い、もしくはシバキヤ)。
店員さんも料理を持ってきてくれるときに、「持ってくるのが遅くなって申し訳ない」と言ってくれた。
会計のときも、ぴったり出すと「グレイト!」って褒めてくれたり、もうびっくりするほどみんな優しい。
これだけ観光客が多い街だと、地元の人はいやになるだろう(この店に観光客は来ないが)。
パリとか、京都もだと思うけれど、観光客ウザいなーって思うのが普通だと思っていた。
でもムスリムの人たちは、「ウェルカム!俺たちの国に来てくれてどうもありがとう!おもてなしをさせてくれ!」という感じ。
それもこれも、イスラム教の教えのおかげなんだよな。
そういえば、モロッコには「おいしい」という意味の単語はないと聞いていたが、前に座った人が教えてくれた。
おいしいと言いたいときは、「イズウィーン」と言えばいいという。
アブドいわく、イズウィーンは物にも使う言葉らしい。つまりGood的な?
食べ物にしか使わないのは「ブニーン」。
なんだ、あるじゃん?
宿に戻って、またレセプションで数人とおしゃべり。
イスラム教についての話を長々としたので、また一応名前を伏せます。
イスラム社会全体の女性軽視の話をいろいろ教えてくれた。
モロッコの未婚の女性は、家族に「家にいろ」と言われる。
どこへ行くのかも必ず聞かれるし、着るものもチェックされる。
家族が何を恐れているのかと言うと、娘の処女が失われること。
もしできなかったら、病院で処女膜を再生してもらうという。
Aの妹は学校を卒業したら専門学校に行きたかったけれど、
親が「だめだ、家にいろ」と言って、結局行かなかったらしい。
2日前、Aの友達が、たばこを吸っていた13歳だか15歳だかの少女がレイプされた動画を見ていたらしい。
Aは怒ったが、そいつらが言うのは「レイプされた方が悪い」ということ。
タバコは当然、スカーフをしていない女、ジーパンを履いている女もレイプされてもいい対象。
姉は結婚前、仕事をしていて、近所で一番早くTVを買ったのが誇りだったが、
結婚してから夫は働かず、なんにもしないくせに奥さんに「家にいろ」と言っているらしい。
でも姉は反発して働いている。
(モロッコではこんな風に働かない夫が多いと言っていたが、働かないというか、仕事を怠けているという感じなのかもしれない。)
A少年は考えた、なぜ女性はこのように軽視されているのか。
コーランにはこういう風に書いてある。
・女性の心は男の半分しかない
・女性がリーダーをやると、その集団は失敗する
夫が妻を道で殺している動画が広まった。
それを誰も止めない。
今までもあったことだけれど、スマホの普及で明るみになったというだけ。
妻も夫に日常的にレイプされている、でもそれが女の務め。だから誰も何も言えない。
イスラム教の人たちは、何世代にも渡ってそれが普通で気づかない、僕が怖いのは自分の娘がそういう軽蔑を受けることだ、とA。
それってまんまうちらと同じ。
日本のおかしな慣習は誰も気づかないまま、受け継がれる。
自分たちの子供もそれに巻き込まれるのが本当に怖い。
たくさんの価値観を知ることは、やっぱり絶対に大事なことだと思った。
Aがムスリムを辞めたのは3,4年前と割と最近。
シュンが初めてモロッコに一人旅で来たときは、疑いは持っていたけれどまだムスリムだったらしい。
でももっと前なら君たちにムスリムを勧めてた、と。
Aはムスリムを辞めると決めたとき、誰にも言えないし、バレたらやばい、とものすごく怖かったらしい。
Bも今はムスリムじゃないけれど、ムスリムだった17年間をクソだと思って後悔している。
いろんな楽しいことを全て捨てて、神のために生きていたから。
2人のようなコンバージョンする人の波が来たのは、2011年ISISの台頭があったのがきっかけ。
多くのムスリムが自らに問いかけた。
ダーウィンの進化論も、もちろんムスリムは信じていない。
ムスリムのリーダーが、進化論についての間違った話を講演会で話している動画を見せてくれた。
エジプトのTV番組で、若者がムスリムの偉い人に質問している動画も。
若者は「お前は頭がおかしいから病院に行け」、と言われていた。
Bもイマーム(イスラム教の指導者)である父に疑問を投げかけたときに答えてくれなかったので、これはおかしいと気づいたらしい。
イスラム教の偉い人も非ムスリムを論破できない。
モロッコは、エジプトや奴隷制が続くサウジアラビアよりはマシだけれど、政教分離できているトルコはモロッコよりもいいと。
そして、「日本に生まれてよかったね」と言われた。
宗教に関して言えば、日本に生まれて良かったと思う。
宗教の自由がある。
神を信じなくてもいい。
モロッコにも、もう少しだけ自由があれば、と思う。
神を信じる信じないはものすごくプライベートな話なはずなのに、信じなければならない。
女性は、自分の気持ちに関係なく、家にいなければならない。
イマームたちは盲目的に信じるのではなく、コーランを研究しなおし、人々が生きやすいように導く存在にはなれないのか。
もう少し現代に則して捉え直すことはできないものか。
イスラム教の良くない部分も知りつつ、
ムスリムの優しさの恩恵を受けるこの旅。
大事なことを考えることができた3時間の談義。
気づけば24時。
今日も大変勉強になりました。
明日は金曜日。
金曜日といえば、モロッコでは家族みんなでクスクスを食べる日。
明日アブドの実家に行って、クスクスをごちそうしてもらえることになった!
やったやった!楽しみ!
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