わたしが妊娠10週のときに渡仏してから、フランスで処方された薬や便秘対策の食品、妊娠線予防などに使っていたオイルを紹介します。
薬
鉄(Fer)
- Timo Ferol
- 30錠
- 1.77ユーロ
- パブリックデータベース:TIMOFEROL, gélule| Base de données publique des médicaments
日本の数えで妊娠8か月(28週)、フランスの数えで6か月の終わりごろに処方されました。
1日1錠飲んでいます。
この月の直近の血液検査で、フェリチン(Ferritine)値が基準を下回っていたため(基準値15~150ng/mL)、Sage femme(助産師)から処方され、薬局で買いました。
フェリチンとは貯蔵鉄のことで、体内の鉄が不足したときの貯えのようなものらしいです。
日本人女性は鉄不足の人がかなり多く、たとえヘモグロビン濃度が正常で、普段貧血気味でなくても、わたしのようにフェリチン値が低い「隠れ貧血」の人もいるようです。
特に妊娠中は必要な鉄の量が普段の約2倍になり、不足すると胎児の発育不良や早産の原因になってしまうとのこと。
鉄は、サプリなどを飲んでもすぐに貯蔵できる成分ではないと知って少し焦ったのですが、2か月後の血液検査ではフェリチン値はなんとか基準値内になっていました。
とはいえ妊娠前から鉄分は意識して摂っておくべきだったなーと思いました。
この薬を飲むようになってからは、コーヒーや紅茶を飲むのは出産まで控えることにしました。
コーヒーや紅茶を飲んでも少ししか影響がないようですが(タンニンが鉄分の吸収を妨げると言われている)、元々足りない鉄を少しでも減らしてはいけないと思って我慢しています。
参考
マグネシウム(Magnésium)
- FORMAG
- 30錠
- 8.90ユーロ
- 保険適用外
マグネシウムも、日本の数えで8か月(28週)、フランスの数えで6か月の終わりごろに処方されました。
1日1錠飲んでいます。
妊娠中期あたりから、お尻の筋肉がピキーンと痛んで立ち上がれなくなるときがある(特に歩きすぎた日)とSage femmeに伝えたら処方されました。
マグネシウムは筋収縮をコントロールする機能があり、こむら返りなどがあるときにも処方されるらしいです。
この症状は、ネットで見た坐骨神経痛を治すストレッチをして一時悪化したりしつつも、マグネシウムのおかげか骨盤ベルトのおかげか自宅安静のおかげか、妊娠後期にはすっかり気にならなくなりました。
(追記:自宅安静が終わって普通に生活し始めたらまた痛くなりました……)
ビタミンD(Vitamine D)
- Cholecalciferol
- 1回分
- 1.11ユーロ
- パブリックデータベース:CHOLECALCIFEROL SANDOZ 100 000 UI, solution buvable en ampoule | Base de données publique des médicaments
日本の数えで8か月(30週)、フランスの数えで7か月のときに処方されました。
調べてみると、フランス人(に限らずヨーロッパの人たち)は、日照時間の短さや魚をあまり食べない食生活などから、ビタミンDが不足している人が多いんだとか。
私たちが住むモンペリエを含む南仏は、天気がいい日が多いので、日照時間は日本と変わらないんじゃないかな?と思いますがどうなんでしょう。
ビタミンDは骨の形成を助ける栄養素のひとつなので、フランスでは妊婦のビタミンD欠乏症の予防のため、妊娠期間中に1回は処方されることが多いみたいです。
普通に数日分の錠剤だと思っていたのですが、薬局で受け取った箱に「1回分」と書いてあったので、薬局に買いに行ってくれた夫は、本当にこれで合ってるのかと薬局の店員さんに何度か聞いてしまったみたいです。笑
箱を開けてみてさらにびっくり。
どうやって飲むの?これ。
このようなガラス製のアンプルに入ったビタミンDを飲むのは、フランスでは一般的なようです。
ガラスで手を切らないように、いらない紙で片側を挟んでポキっと折り、もう片側もポキっと折って、コップに流し入れて水で薄めて飲みました。甘いシロップみたいです。
ポキっと折った破片は紙の中でバラバラになっていたので、素手でやっていたら手が切れていたかも…。
もっといい摂取方法はないんでしょうか。笑
それにしてもこれ、1回飲むだけで効果があるなんて不思議です。
張り止め
- Spasfon Lyoc 80mg
- 10錠
- 1.43ユーロ
- パブリックデータベース:SPASFON LYOC 80 mg, lyophilisat oral | Base de données publique des médicaments
日本の数えで8か月(30週)、フランスの数えで7か月になったころ、月1回の妊婦健診の日にお腹の張りが多く、子宮頸管も短く、胎児も下がってきているということでそのまま緊急で大学病院へ。
結果自宅安静ということになり、そのときに張り止めとして処方されました。
Spasfon Lyocは、凍結乾燥させた薬(舌下錠)で、ラムネみたいに舌で溶けるので水なしで飲めます。
大学病院のSage femmeが出してくれた処方箋には「1回2錠、6時間の間隔を空けて」と書かれていましたが、薬局で受け取るときには「張りで痛みを感じたら1回1錠、6時間の間隔を空けて」と言われ、その後いつも診てもらっているSage femmeには「痛みがなくても6時間ごとに1回2錠」と言われました。
みんな言っていることが違いますが、とりあえず朝昼晩に2錠ずつ、つまり1日6錠飲んでいました。
この記事を書くときに知ったのですが、上にリンクを貼った政府のパブリックデータベースのページには「痛みがあったときに1回2錠、6時間の間隔を空けて」と書いてありました。
全員違いましたね。笑
- Spasfon Comprimés
- 30錠
- 2.14ユーロ
- パブリックデータベース:SPASFON, comprimé enrobé | Base de données publique des médicaments
その後、日本の数えで9か月(33週)、フランスの数えで8か月になり、自宅安静で張りがだいぶ落ち着いたと思われる時期に、今度はSpasfon Comprimésを処方されました。これは糖衣錠です。
これも朝昼晩に2錠ずつ、つまり1日6錠飲んでいます。
同じSpasfonを2種類処方されたのは、Sage femmeか薬局の手違いだと思っていたのですが。
最初にSpasfon Lyocが処方されたときは、1時間に5回ほど、多いときで10回近くお腹が張るという危険な状態だったため、一般に即効性があると言われる舌下錠が処方されたのだと思います。
「痛みがあったときに」という条件が付くのもこちらだけなので、ある意味緊急事態用だったのかなと。
その後、張りが落ち着いてから処方されたSpasfon Comprimésは、痛みに関わらず定期的に服用するので、やはり緊急時用と普段用のような使い分けがあるのかなと思いました。
でも、正直どちらも効果はあまり実感できなかったです。
張りが激しかった数日間は、薬を飲んでも朝から晩まで張るし、飲まなくても張らないときは張りませんでした。
座薬
- Suppositoires a la glycerine monot
- 10錠
- 3.95ユーロ
- 保険適用外
出産前準備クラスで、陣痛が来たときに3日排便がなかったら座薬を使ってもいいと教わり、念のため準備しました。
種類がいろいろあるようですが、グリセリン座薬がいいとSage femmeが言っていたので、薬局で聞いて処方箋なしで買いました。
1錠だけあればよかったのですが、さすがにそれはないらしく、10個入りです。
しかも、これを買ったあとに、次に書く便秘対策で絶大な効果があったので、当日もたぶん使いません。
無駄になっちゃったな。
便秘対策
それまでは毎日快便だったのに、妊娠中期ごろから3日に1回くらいに減ってしまいました。
お腹の張りの一因が便秘の可能性もあるとネットで読んで、便秘対策をしました。
エパー(Hépar)
- Hépar
- 1リットル
- 0.59ユーロ(Spar)
フランスでは、便秘にはHépar(エパー)を勧められることが多いみたいです。
Héparは、ミネラルたっぷりの超硬水で、硬水で有名なContrex(コントレックス)よりもマグネシウム、カルシウムともに含有量が多いです。
大人だけでなく、便秘気味の子どもにも飲ませることもあるようです。
わたしもHéparを飲んでみて、確かに効果はありました。
だけど、1リットルだとすぐに飲み終えてしまって、今後継続して買うのは重くて大変だと思って、1回でやめました。
オールブラン(All Bran)
- All-Bran
- 500g
- 3.29ユーロ(Monoprix)/3.89ユーロ(Spar)
高校生くらいのとき実家にケロッグのオールブランがあり、これは効果がある!と知っていたので、フランスでも探してみたらありました。
食後や小腹が空いたときに、ちょこっと(ティースプーン2杯くらい)1日数回おやつ感覚で食べています。
これを食べ始めてからはほとんど毎日出るようになりました。
箱には12食分と書いてありますが、わたしは体調に合わせて食べるので15~30日くらいで食べ終わる感じです。
わたしはこういったボソボソした食べ物が好きなので、ちょっと飲みにくいHéparより断然続けられます。むしろ便秘じゃなくても食べたいくらい。
ただ、日本のオールブランはほとんど甘くなかったと記憶しているのですが、こっちのは甘みが強いのがちょっと残念。
ボディオイル
妊娠線予防オイル(Huile Vergetures)/Klorane
- Huile Vergetures/Klorane
- 試供品1袋7ml
- 公式:Maman | Laboratoires Klorane
Sage femmeのキャビネに行くたびに何かしら試供品がもらえたのですが、これもそのうちの1つで、15袋くらいくれました。
1袋にわたしにとっては4回分くらいのオイルが入っていたので3ヶ月くらいもちました。
オイル類って高いのでかなりありがたかったです。
使ってみた感想は、かなり伸びがいいのでお腹や太ももなど広い範囲に塗るのに最適だと思いました。
正直、しっとりして肌が柔らかくなればわざわざ妊娠線専用のオイルを使わなくてもいいと思うのですが、妊娠線専用オイルを使う利点があるとすれば、伸びがいい方が使いやすい、ということなのかなと思いました。
伸びが悪いとすごい量を消費することになったり、優しく塗れなかったりするので。
▼Weledaの母乳マッサージオイル・会陰マッサージオイル・妊娠線予防オイル。値段の参考にどうぞ
スイートアーモンドオイル(Huile D’amande Douce)/Avril
- Huile D’amande Douce BIO/Avril
- 100ml・11ユーロ
- 公式:Huile d’amande douce 100% pure, pressée à froid
Avrilは、フランスのオーガニック化粧品ブランドです。
値段がBIOにしてはそこまで高くないのと、デザインがシンプルなのとで私たちのお気に入りのお店です。
このオイルはフランスに来て最初の方に妊娠線予防オイルとして買いましたが、前述の妊娠線予防オイルの試供品をもらってからは乳頭マッサージ用として使うことにしました。
テクスチャーはもったり重めで伸びはそこまで良くないので、お腹や太ももなど広い範囲に塗るよりも、顔や髪などに使うのに適したオイルだと思います。
余談ですが、今使っているAvrilの歯磨き粉は、泡立ちがいいし口の中に変な感じが残らないのでかなりおすすめです。
カレンドラマッサージオイル(Huile de Massage Douceur au Calendula)/Weleda
- Huile de Massage Douceur au Calendula/Weleda
- 200ml
- 11.39ユーロ(薬局)
- 公式:Huile de Massage Douceur au Calendula – Weleda
赤ちゃんの肌の保湿用オイルですが、会陰マッサージ用のオイルとしても使おうと思って薬局で買いました。
とろっとした重めのテクスチャーですが、伸びが良く使いやすいです。
これも37週になってから使ってみようと思います。
さいごに
フランスの処方薬は思ったより安かったのですが、薬1箱ごとにかかる「Honoraires de dispensation(HD2)」代の1.02ユーロと、1処方箋ごとにかかる「Honoraires de dispensation(HDR)」代の0.51ユーロを合計すると地味に高いです。
参考
Honoraires de dispensation, transfert de marge : c’est parti ! | ameli.fr | Pharmacien
私たちはワーキングホリデービザなのでフランスの国民健康保険には入れず、毎回実費で払っています。
ちなみに、日本で妊娠前から飲んでいた葉酸は、12週くらいまで飲んでいました。
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