ヨーロッパ屈指の農業大国であるフランスでは、日本ではなかなか見ることのない野菜もたくさん出回っています。
この記事では、日本では珍しい野菜を、調理法やレシピと合わせて紹介します。
使い方とレシピは日本語・フランス語・調理法・料理名などごちゃ混ぜですが、イメージが伝われば良いかなと思っています。
- Radis(大根)
- Navet(かぶ)
- Rutabaga(ルタバガ)
- Chou vert(縮緬キャベツ/サボイキャベツ)
- Choux de Bruxelles(芽キャベツ)
- Chou rave(コールラビ)
- Betterave(ビーツ/ビートルート)
- Celeri rave(セロリアック/根セロリ)
- Poireaux(ポアロー/リーキ/ポロネギ/西洋ネギ)
- Endive(チコリ)
- Panais(パネ/パースニップ)
- Carrote de couleur(カラーにんじん)
- Patate douce(さつまいも)
- Topinambour(きくいも)
- Salsifi(サルシフィ/西洋ごぼう)
- Artichaut(アーティチョーク)
- Échalote(エシャロット)
- Girolle(ジロール/シャンテレル)
- Cèpe (セップ/ポルチーニ)
- さいごに
Radis(大根)
日本で一般的な大根は、白くて太くて長いものですが、フランスでは小ぶりで皮に色がついているものが多いです。
Radis noir(ラディノワール/黒大根)
日本ではあまり見ることのない、黒い皮の大根で、細長いものと丸いものがあります。
よく洗って、皮を剥かずに使うことができます。
▼丸いタイプ
▷使い方・レシピ
- バターでソテー
- ピュレ(ポタージュ)
- オーブンで焼く
- サラダ
- ラペ
- 酢漬け
Radis rose(赤大根)
よくマルシェで売られている皮が赤い大根です。
色々な種類があるようで、Radis rose、Radis rose de chine、Radis rougeなどと表記されています。
大きめのラディッシュ(二十日大根)のような感じです。
▷使い方・レシピ
- サラダ
- ソテー
- オーブンで焼く
- 酢漬け
Navet(かぶ)
フランスで一般的なかぶは、上の方が紫色のものです。
▷使い方・レシピ
- ピュレ(ポタージュ)
- ポトフ
- ソテー
- オーブンで焼く
- グラタン
- シチュー
Navet boule d’or(黄かぶ)
皮が黄色(金色)、中も薄い黄色のかぶです。
Navet boule d’orやNavet jaune boule d’orなどと呼ばれています。
ソテーやオーブンで焼くときはバター、塩、はちみつで味付けをするのがおすすめ。
▷使い方・レシピ
- ピュレ(ポタージュ)
- ポトフ
- ソテー
- オーブンで焼く
- グラタン
- シチュー
▼紫と黄色のかぶ
Navet noir(黒かぶ)
皮が黒、中は白のかぶです。
細長いものと丸いものがあり、Radis noirとかなり似ているので、マルシェなどで買うときは間違えないように注意してください。
▷使い方・レシピ
- ピュレ(ポタージュ)
- ポトフ
- ソテー
- オーブンで焼く
- グラタン
- シチュー
Navet long(長かぶ)
皮も中身も白の、細長いかぶです。
Navet long、またはNavet long blancなどと呼ばれています。
▷使い方・レシピ
- ピュレ(ポタージュ)
- ポトフ
- ソテー
- オーブンで焼く
- グラタン
- シチュー
Rutabaga(ルタバガ)
Rutabaga(ルタバガ)はかぶによく似たアブラナ科の野菜です。
日本ではスウェーデンカブとも呼ばれています。
風味、味、食感が独特で、日本人的には好みが分かれる野菜かもしれません。
オーブンで焼いたり煮物にするとおいしいです。
▷使い方・レシピ
- マッシュ
- ポトフ
- ピュレ(ポタージュ)
- スープ
- サラダ
- ソテー
- オーブンで焼く
- シチュー
Chou vert(縮緬キャベツ/サボイキャベツ)
日本では縮緬(ちりめん)キャベツと呼ばれている野菜です。
日本で一般的な種類のキャベツ(Chou blanc)とは食感や甘みが大分違います。
かなりしっかりしているので煮物に適していて、炒め物に使うときはレンジで加熱するか下茹でしたほうが使いやすいです。
▷使い方・レシピ
- ロールキャベツ(farci/ファルシ)
- ポトフ
- スープ
- 煮物
- 炒めもの
- オーブンで焼く
- シチュー
Choux de Bruxelles(芽キャベツ)
芽キャベツは、フランスではChoux de Bruxelles(ブリュッセルのキャベツ)という名前で売られています。
▷使い方・レシピ
- ポトフ
- スープ
- 煮物
- 揚げる
- ソテー
- オーブンで焼く
- シチュー
Chou rave(コールラビ)
コールラビはフランスではChou raveと呼ばれています。
かぶ、大根、キャベツなどと同じアブラナ科の野菜で、生でも食べることができます。
料理によって、ブロッコリーの茎やキャベツの芯、大根などに似た食感や風味が感じられる野菜です。
葉は大根やかぶの葉よりも少し硬く、キャベツやカリフラワーの外葉に近いイメージです。
▷使い方・レシピ
- ピュレ(ポタージュ)
- スープ
- サラダ
- ラペ
- 酢漬け
- 煮物
- ソテー
- オーブンで焼く
- シチュー
Betterave(ビーツ/ビートルート)
ビーツは、ウクライナやロシアの郷土料理であるボルシチに使われている野菜です。
中が赤いものや黄色いもの、渦巻模様のものなどがあります。
生のままだと若干土臭いので、苦手な人もいるかもしれません。
加熱すると土臭さが薄れて甘みが増します。
皮ごとオーブンで焼いて、オリーブオイルと塩で食べるのがおすすめ。簡単に使うならスープも良いです。
▼皮が薄い赤色で中が渦巻模様のビーツ
▷使い方・レシピ
- ピュレ(ポタージュ)
- スープ(パンと合わせても、パスタやクスクスにかけて食べてもおいしい)
- 煮物
- リゾット
- サラダ(マヨネーズともよく合う)
- ラペ
- 酢漬け
- マッシュ(じゃがいもと合わせてもOK)
- オーブンで焼く
- 茹でる
Celeri rave(セロリアック/根セロリ)
セロリの変種で、根茎を食べる野菜です。
葉の部分はセロリと似ていますが、食用ではなくスープや肉の臭み消しに使うようです。
ほんのりセロリの香りがして、食感はじゃがいもやりんごのような感じです。
シンプルにオーブンで焼くのがおすすめ。
▷使い方・レシピ
- スープ
- ピュレ(ポタージュ)
- 煮物
- サラダ
- ラペ
- マッシュ(じゃがいもと合わせてもOK)
- オーブンで焼く
- ソテー
- 炒めもの
- 茹でる
Poireaux(ポアロー/リーキ/ポロネギ/西洋ネギ)
リーキやポロネギとも呼ばれるヨーロッパの長ねぎで、日本の長ねぎと比べるとすこし硬くてしっかりしています。
日本のねぎのように炒めても良いのですが、煮物やグラタンにより向いていると思います。
▷使い方・レシピ
- スープ
- ピュレ(ポタージュ)
- 煮物
- グラタン
- オーブンで焼く
- 炒めもの
Endive(チコリ)
苦味が特徴的な野菜です。
フランスでは、茹でたEndiveにハムを巻いてベシャメルソース(ホワイトソース)をかけ、チーズを載せてオーブンで焼くという料理(Endives au jambon à la béchamel)がポピュラーです。
▷使い方・レシピ
- グラタン
- オーブンで焼く
- 煮物
- 炒めもの(小さめに切って他の野菜と炒めると苦味が良いアクセントになる)
Panais(パネ/パースニップ)
パネは私は日本では見たことがなくて、フランスではじめて見たときもカラーにんじんかと思っていたのですが、にんじんとは別の野菜でした。
セリ科でにんじんに似た香りがありつつも、食感は芋やかぶに似ていてすこしねっとりしています。
ソテーやオーブンロースト、ポトフがおすすめ。ピュレもねっとり感と甘みが強く感じられておいしいです。
▷使い方・レシピ
- ポトフ
- 煮物
- スープ
- ピュレ(ポタージュ)
- ソテー
- オーブンで焼く
- 炒めもの
- マッシュ
Carrote de couleur(カラーにんじん)
こっちがカラーにんじん。黄色や紫、赤っぽいものなどがあります。
普通のスーパーではあまり見かけませんが、マルシェだとけっこう売っている気がします。
スティック型に切り、塩、オリーブオイル、はちみつで和えてからオーブンで焼くのが好きです。
▷使い方・レシピ
- サラダ
- ラペ
- 茹でる
- ポトフ
- 煮物
- スープ
- ピュレ(ポタージュ)
- ソテー
- オーブンで焼く
- 炒めもの
- マッシュ
Patate douce(さつまいも)
日本でよく見るさつまいもとは違って、中がオレンジ色のものが多いです。
食感はホクホクというよりはサラサラとしていて、バターナッツかぼちゃに近いと思います。
オーブンで焼いたり、スイーツに使ったり、肉料理の添え物にも合います。
▷使い方・レシピ
- 茹でる
- ピュレ(ポタージュ)
- ソテー
- オーブンで焼く
- 炒める
- マッシュ
- お菓子
Topinambour(きくいも)
見た目が生姜に似たキク科の野菜です。
日本では美容・健康食品として使われることが多いらしいです。
シャリシャリとした食感で、強いて言うなら芋やれんこんなどに近いと思います。
焼いてもスープに入れてもおいしいです。
▷使い方・レシピ
- 煮物
- 茹でる
- スープ
- ピュレ(ポタージュ)
- ソテー
- オーブンで焼く
- 炒めもの
- マッシュ
- サラダ
Salsifi(サルシフィ/西洋ごぼう)
サルシフィは日本のごぼうやTopinambourと同じ、キク科の野菜です。
見た目はかなりごぼうに近いのですが、味は全く違います。
▷使い方・レシピ
- スープ
- ピュレ(ポタージュ)
- 煮物
- 茹でる
- ソテー
- 炒めもの
Artichaut(アーティチョーク)
アーティチョークは日本ではチョウセンアザミとも呼ばれています。
可食部が少なく若干面倒ではありますが、独特の味わいで「好きな人は好き」な野菜だと思います。
フランスには様々な食べ方がありおもしろいです。
▷使い方・レシピ
- 茹でる(レモンやハーブ類と)
- 蒸す
- 焼く
- サラダ
- グラタン
- 炒めもの
- パスタ
- リゾット
- ピザ
Échalote(エシャロット)
見た目が玉ねぎに似ている香味野菜です。分類上は玉ねぎの一種だったと思います。
にんにくと玉ねぎの間のような味と香りで、玉ねぎとの違いは加熱してもそれほど甘くならないこと。
刻んで薬味のように使ったり、スライスしてサラダに入れたり、リゾットやフライドライス(チャーハン)、ソースを作るときに使ったりします。
にんにくや玉ねぎを使うような場面で使ってみると考えればわかりやすいと思います。
日本で売られているエシャレット(らっきょう)とは違うものです。
▷使い方・レシピ
- サラダ
- 炒めもの
- リゾット
- ソース
Girolle(ジロール/シャンテレル)
日本ではアンズ茸とも呼ばれているきのこです。
リゾットやバターソテー、オムレツなどに。
▷使い方・レシピ
- ソテー
- 炒める
- リゾット
- オムレツ
Cèpe (セップ/ポルチーニ)
日本ではイタリア名の「ポルチーニ」で有名なきのこです。
ただ焼くだけでもおいしいのですが、軽くオリーブオイルでソテーして、カリフラワーのポタージュ(自家製の冷凍ストック)に加えるのがお気に入り。
リゾットももちろんおいしいです。
▷使い方・レシピ
- ソテー
- 焼く
- リゾット
- オムレツ
- 野菜のポタージュに加える
- 生でスライスしてサラダ
さいごに
日本ではなかなか見ることのない野菜が手軽に買えるのが楽しくて、日々色々試しています。
そのうち、レシピもいくつか載せられたら良いな~と思っています。
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