2020年9月に、格安海外送金サービスTransferWiseのマルチカレンシー口座の機能が日本向けに公開されました。
マルチカレンシー口座の機能と口座開設方法、入金・両替・送金・受け取りの使い方を紹介します。
主にヨーロッパ(ユーロ)と日本(円)で利用する場合を例に説明します。
TransferWise(トランスファーワイズ)とは
(トランスファーワイズ)は格安の国際送金サービスです。
詳しくは以前の記事を読んでみてください。
https://unusual-web.com/france/?p=1219
マルチカレンシー口座とは
▷マルチカレンシー口座の機能(できること)
- アカウント内で50通貨以上の外貨の保有
- 銀行送金やクレジットカード、デビットカード、オンラインウォレットなどでの入金
- 保有する外貨の両替(資金移動)
- 保有する外貨の送金(TransferWiseの本来のサービスである送金機能をマルチカレンシー口座から行える)
- AUD、NZD、GBP、USD、EUR、SGDの6通貨では各国の銀行口座情報(以下参照)の取得とお金の受け取り
- 英国の口座番号とソートコード
- ヨーロッパのIBANコード
- 米国の口座番号とルーティングナンバー
- オーストラリアの口座番号とBSBコード
- ニュージーランドの口座番号
- シンガポールのSWIFT/BICコードと口座番号
マルチカレンシー口座とは、TransferWiseの自分のアカウント内で50通貨以上の外貨を保有することができる機能です。
また、指定の6通貨では銀行口座情報を取得することができます。
例えば、ヨーロッパのIBANを取得することで、他のネットバンクと同じように自分名義の銀行口座でユーロの送金や受け取りを行うことができます。
今までのTransferWiseはただの送金中継サービスだったので、アカウント内で残高を保有することはできませんでした。
しかしマルチカレンシー口座の機能が加わったことにより多通貨で残高を保有できるようになり、また残高からの送金や、一部の通貨では銀行口座情報を取得して他者からのお金の受け取りも行えるようになったので、銀行(ネットバンク)のようなサービスになったというイメージです。
マルチカレンシー口座の利用開始(口座開設)方法
TransferWiseのアカウントを作成していない場合は、公式サイトのガイドを参照してアカウントを作成してください。
https://prf.hn/click/camref:1011l95w2/destination:https%3A%2F%2Ftransferwise.com%2Fjp%2Fblog%2Fhow-to-use-transferwise
日本円口座の開設方法
まずは日本円口座を開設します。他の通貨は後から追加できます。
[Let’s go]をクリックします。
電話番号を入力し、[Send code]をクリックしてください。
ユーロ口座の開設と、銀行情報(IBAN、BIC/SWIFT)の取得
続いてユーロ(EUR)口座の開設と、ヨーロッパの銀行口座情報(IBAN、BIC/SWIFT)の取得をします。
画面左側のメニュー下部にある[Open a balance]をクリックします。
ヨーロッパの銀行口座情報の取得に進みます。
銀行口座情報を取得するためには、2段階認証を有効にする必要があります(すでに有効にしている場合はこの手順は飛ばしてください)。
[Get bank details]をクリックして銀行口座情報の取得に進みます。
銀行口座情報を取得するためには、ユーロ口座に最低20ユーロを入金する必要があります。
任意の金額を入力して[Next]をクリックします。
入金する通貨を変更(例えば、日本円で入金するなど)することもできます。通貨の変更は下で説明します。
入金方法を選択します。
この操作はTransferWiseで送金をするときとだいたい同じです。入金方法によって手数料が変わります。ここではDebit Card(デビットカード)を選びました。
TransferWiseのユーロ口座がお金を受け取るのに、クレジットカードやデビットカードの場合はほぼ即時、銀行振込(送金)の場合はしばらくかかります。
また、同時に銀行口座情報(IBAN、BIC/SWIFT、Address)の取得も完了します。
入金する通貨を変更する場合
ユーロ口座に直接入金する際に、円建てで入金することもできます。ユーロ建てで決済できない(またはユーロ圏で発行されたカードを持っていない)場合に利用することになると思います。
入金画面でPaying withの通貨を日本円に変更することで、円建てで入金することができます(手数料がかかります)。円を入金後、表示されているレートでTransferWiseが自動で両替をして、ユーロ口座にユーロが入金されます。
使い方
ここからは入金、両替、送金、受け取りの操作方法を説明します。
入金
マルチカレンシー口座への入金方法です。
先ほどはユーロを入金したので、ここでは円の場合で説明します。
入金額を入力し、[Next]をクリックします。
デビットカードを利用すると即時に入金が行われますが、手数料がかかります。
両替(アカウント内で他通貨間の資金移動)
ユーロから円への両替を例として説明します。
両替する金額、両替先の通貨(ここでは円)を入力し、手数料やレートを確認したら[Continue]をクリックしてください。
レートをクリックするとチャートを見ることもできます(次の画像)。
残高が10ユーロで、10ユーロを円に両替した履歴が表示されています。
残高が1227円で、ユーロから円に1227円両替した履歴が表示されています。
送金(振り込み)
ユーロでの振り込みの例を紹介します。
ユーロ口座の画面内上部にある[Send EUR]をクリックします。
デフォルトでは同じ通貨に送金する設定になっていますが、Internationalというタブに移動することで別の通貨(国)宛に送金することもできます。
すでに登録している受取人から選択するか、新しい受取人を登録します。
新しい受取人を登録する場合は[Myself(自分)]、[Someone else(別の誰か)]、[Business or charity(企業または慈善団体)]のどれかを選択してください。
ここでは[Someone else]を選択しました。
受取人名(口座名義)、IBAN(ヨーロッパ共通の口座番号)を入力して[Confirm]をクリックします。
送金日を指定することもできます。
[Track your transfer]をクリックすると送金処理の詳細を確認することができます。
次回の送金時から承認作業を省略するかどうか聞かれます。
設定は後から変更できるのでどちらを選んでも問題ありません。
送金のキャンセル
[Cancel transfer]をクリックするとキャンセルが確定します。
送金時の注意点
TransferWiseでは送金を行う際に送金方法を選ぶことができ、送金方法によって所要時間や手数料が変わります。
- 残高からの送金
- 銀行振込で入金してから送金
- クレジットカード・デビットカードで入金してから送金
- オンラインウォレットサービスで入金してから送金
など
しかし、日本居住者が外貨建てで送金を行う場合は「残高からの送金」しか選ぶことができません(円建ての場合は銀行振込、デビットカードを選択することができます)。
ユーロから円への国際送金の例です。
受け取り
ユーロ口座のIBANでお金を受け取る例を説明します。
EU内からであれば、ここに書いてある情報で振り込んでもらうことができます。
ユーロ口座のIBANでお金を受け取った際の表示です。
ホーム画面、またはユーロ口座画面の履歴で確認することができます。
TransferWise 通貨別機能まとめ表(日本居住者の場合)
日本居住者が各通貨でできることを表にまとめました。
私がユーロと円を中心に利用しているので、他の通貨に関しては曖昧な部分があるのですが、分かる範囲で書いています。
日本円 (JPY) | ユーロ (EUR) | AUD,NZD,GBP,USD,SGD | その他の通貨 | |
マルチカレンシー口座 残高への入金 | 銀行振込 デビットカード | 銀行振込 クレジットカード デビットカード 各種オンラインウォレット | 通貨による | 通貨による |
両替 | ○ | ○ | ○ | ○ |
送金 | 残高から 銀行振込 デビットカード | 残高から | 残高から | 残高から |
受け取り | × | ○ | ○ | × |
さいごに
マルチカレンシー口座は多通貨の保有や両替ができて便利ですが、両替や振り込み(送金)には手数料がかかります。
ヨーロッパで利用する場合、現状はスマートバンクのRevolut(レボリュート)のほうがおすすめです。
Revolutは多通貨保有ができ、両替・振り込み・ATM(200ユーロ相当まで)の手数料は無料です。
とはいえ、TransferWiseは登録無料で日本居住者も利用可能、6通貨の銀行口座情報が取得でき口座維持費もかからないので、十分魅力的です。とりあえず利用してみても良いと思います。
特に留学・駐在者の家族などにとっては利用価値が高そうです。
また、マルチカレンシー口座と紐付いたデビットカードがもうすぐ日本でも発行できるようになるらしいので、そうなると短期旅行も含めてより多くの活用場面があると思います。
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