メイです。
現在メキシコ サンクリストバルに戻ってきて、明日から少しだけ宿の管理人をやらせてもらいます。
超かわいいネコと、おてんばの犬と、すばらしいキッチンで過ごす楽しいメキシコ生活。
世界旅行記、2017年5月のパキスタン~中国編です。
各国の旅行記、コラム、情報のもくじはこちら(世界一周)から。
噂のパキスタンー中国国境
2017/5/31 パキスタン ススト~中国 タシュクルガン
朝7時に起きて、まずは残ったパキスタンルピーを中国元に両替しに行く。
両替屋さんに行ったら、元はこれしかないと言われ、持っている分だけを交換してもらった。
他に両替できるところはないかと聞くと、向かいの商店でできるらしい。
ここでも少し両替して、また別の商店へ。
それを4回繰り返してやっと全部(国立公園入場料800ルピー×2だけ残して) 両替できた。
昨日予約したバス会社NATCOの待合所へ向かうと、山本さんがいた。
山本さんはフンザの宿で一緒だったのだけれど、同じ日に同じ場所に行くとわかっていても、別れも告げずにわざわざ別の時間に行くおもしろい人だ。
でも、もっとおもしろいところは、バッグがめちゃくちゃ小さいこと。
いつ帰るかわからない旅をしているのに、サラリーマンの通勤バッグみたいなのとビニールの袋しか持っていない人は初めて見た。
▼山本さんと、山本さんの少なすぎる装備
9時出発のはずだけど、なかなか出発しない。
ようやく声がかかったと思ったら、歩いてイミグレ(出国審査)に行けと言われた。
ここからバンに乗るんだと思ってた。
▼パキスタン側イミグレの入り口
すぐ近くにあるイミグレに着いてからも、30分くらい待たされた。
▼イミグレの建物
パキスタン側イミグレ(ススト)
名簿で名前を確認され、順番に荷物検査。
中身を4分の1くらい出すだけのザルチェックで済んだ。
検査を終えた荷物は1列に並べられ、全員のチェックが終わるまで部屋の端で待った。
全員が終わると、ちょっと空気が変わった。
なにかと思ったら、警察犬が登場して(おそらく)麻薬チェック。
警察犬チェックが終わったら、別の部屋に移動し、出国カードを記入して出国スタンプを押してもらえた。
また全員が終わるまで待ち、ようやく車に乗り込むことができた。
▼この日、NATCOのバンは全部で3台あった。
結局、バスが出たのは11時前くらい。
私たちのバンは、私たち日本人3人の他に、「ザ・中国人」みたいな中国人2人と、あとはウイグル人らしき人たちの、14人。
さっそく中国人がおもしろい。
車内でおやつをボロッボロこぼしながら食べ始める。
やがて、ラマダーン中にもかかわらず、隣のウイグル人に食べ物を勧めはじめた。
ちょっとは配慮しろよな~と思ったけれど、そのあとほぼ全員なにか食べていたので、誰もラマダーンはやっていなかった。
▼途中パスポートチェックがあった
1時間ほどクンジュラブ峠を登る。
ぐんぐん登るので、標高が上がっていくのが肌でわかる。
景色は雪が増えてきて、やがて白い世界になった。
国境へ到着した。
こんなところにある国境は、世界でもそうそうないだろう。
そしていよいよ、厳しいと噂の中国側ポリスチェック。
中国側ポリスチェック
いざ、と思ったけれど、前の団体の荷物チェックが終わるまで車内で待機させられた。
外は雪が降っている。
ここの公安のひとたちは。10代くらいに見える若い人が多かった。
きっと若い衆がこの僻地に配置されるんだろう。
公安に順番に呼ばれ、外に一列に並べたバッグから自分の荷物を持って中に入る。
靴を脱ぎ、機械に荷物を通したあと、自分はロッカーみたいなところに入れられてX線チェック。
健康診断でやるやつだ。
それが終わると、今度は公安による荷物チェックだ。
公安自身は荷物の中身を出すときには触らず、こちらが中身を出したものをチェックしていく。
これを出せ、これを開けろ、これは何だ、と聞かれるので淡々と答えていく。
わたしの担当の人が緩かったのか、こちらが女だったから大目に見てくれたのか、荷物は全部出さなくてもバレなかった。
というか、ナプキンとか下着とか、「ほら、これらは出さなくていいでしょう、それともあんた、見たいんか」とアピールしたらその周辺はスルーだった。
でも噂通り、カメラとパソコン内の写真チェックがあった。
パソコンの写真は、ほとんど非表示にしておいたから早く終わった。
スマホは出さなかったら何も言われなかったから、見られなくて済んだ。
ちなみに、電子機器の充電をゼロにしてからチェックに臨んでも、充電をさせられてから中身を見られるので無駄な抵抗だ。
むしろチェックが長引くので、フォルダを非表示にしておくのが一番手っ取り早い。
腹が立ったのは、開けたポーチや容器などを、開けたまんまにして返すこと。
そして返すときに投げるようにしてポイッと返すこと。
シュンはこのときに開けられた日焼け止めをそのまま返されて、何日か後にポーチの中身がどろっどろになっていたことに気づいた。
荷物チェックは同時に4人行われるので、余裕があったわたしは他の3人の様子も気にしていた。
後ろのパキスタン人は、一番ウザめのエハラマサヒロ似の公安に当たっていてかわいそうだった。
はさみを没収されたり、シャンプーの匂いを嗅がれたり、新品のタバコのビニールを剥がされたり、大きな米袋をハサミで開けられたりしていた。
横のシュンは、相当まじめな公安に当たっていて、わたしより先に荷物チェックを始めたのに、わたしが終わってもまだまだ終わりそうになかった。
パキスタンにはなんで行ったんだとか、タイにはなんで行ったんだとか、スマホや一眼の写真を見られながら、ここはどこだとか何だとか、質問をたくさんされていた。
斜めうしろの山本さんは、超絶荷物が少ないのでチェックが終わるのも超絶早かったけれど、「なんでそんなに荷物が少ないんだ」と問い詰められていて、「ウォークイージー」とジェスチャー付きで答えたら(山本さんは英語が全然できない)、「どこを歩くんだ」と言われていていろいろ面白くて吹き出した。
わたしのチェックは15分で終わったけれど、シュンは30分以上捕まっていて、最後は全員でシュン待ちという感じだった。
トイレに行きたいと言うと、銃を持った若い公安が一緒についてきた。
▼外に出ると雪が降っていた
全員のチェックが終わり、やっとここを出られるー! と思ったけれど、バンの中で更に1時間以上待たされた。
なんと3台のNATCOバスの全員の荷物チェックを終えるまで出られないのだ。
チェックに1人15~30分かかるっていうのに、なんてこった。
時間はもう16時くらい。
しかも、北京時間で言うとパキスタンとの時差は3時間なので、タシュクルガンに着く頃には時間的にはもう夜だ。
山本さんが「いやー!こりゃキツいわー!2人がいてくれてよかったわー!」と言った。
じゃあもう勝手に先に行かないでくださいよ、と言った。
5回ほど公安が人数を確認しに来て、3台揃ってようやく出発した。
山がずーっと続く道をまっすぐ進むこと1、2時間。
▼山のすじに沿って雪が残っていてかわいい
中国側イミグレ(タシュクルガン)
タシュクルガンのイミグレに到着した。
まだちょっと雪が残っている。
ここでも荷物を並べて、また麻薬犬チェック。
お犬様、おつかれさまでーす。
入り口でパスポートを提示したら、次にパスポート写真と本人が同一人物かをコンピューター上でチェック。
一致の✓マークが出たときは、なぜかほっとした。
次は荷物チェック。
ここのは楽で、上の方の2、3個を出して見せたらOKだった。
「禁止されているものはないですか?」と聞かれ、「ないです」と即答すると、「え?ないんですか?」と少し驚かれる。
ないわ。
次に入国スタンプ。
並んでいるときにシュンと喋ってたら静かに、と注意された。
自分の番になってパスポートを提示すると、「髪を耳にかけて」と言われ、パスポート写真と同一人物か、目視チェック。
写真と違うなーと首をかしげる監査員。
もうひとり確認しに来るが、やはり首を傾げる。
どうするのかと思いきや、なにやら機械でチェックし、どうやら一致したらしくうんうんと頷き、スタンプゲット。
さっきも機械でやったし、あてにならない目視いらないでしょ。
横のシュンは、変な英語で質問されている。
「Where country in Pakistan?」と何度も聞かれていて、今までパキスタンで行った都市をいくつか答えたシュンだけれど、「ハ?」と盛大にキレられていて笑った。
次にわたしは奥の部屋に呼ばれ、上着を脱ぎ、女の監査員2人にボディーチェックを受ける。
これはかなりユルい雰囲気だったのですぐ終わった。
戻ると、シュンがまだチェック中だった。長すぎる。
どうやらシュンも写真と実際の顔が違うとかで、時間がかかっていたらしい。
無事通過後、イミグレによくある「私のお仕事を評価してください」という電子アンケートで、速攻で「Bad」ボタンを押すシュンであった。
ようやくすべてが終わり、無事に新疆ウイグル自治区に入ることができた。
厳しいと噂の国境、確かに厳しかったが、なにが一番厳しかったかって、待ちが長すぎたことだ。
どっと疲れが押し寄せた。
さぁ、目星をつけていたK2ホステルへ向かうぞ、と山本さんを探したけれど、いない。
周りの人に、あいつはもう一人で歩いて行ったよ、と言われてびっくりした。本当に不思議な人だ。
私たちが嫌いにしても、後で同じホステルで会って気まずいだけなのに。
宿に到着
20分くらい歩いてK2ホステルに到着した。
本を読んでいた山本さん、おう!じゃないよ。なんで先に行ってんですか笑
階段を上がると、金属探知ゲートがあって驚いた。
当然のようにシュンはボーイズドミ、わたしはガールズドミへと別々に案内されそうになったので、ミックスドミはないのか?と聞くも英語が伝わらない。
しつこく訴えると、もういいよみたいな感じでガールズドミに2人で泊まることになった
いいのか?
幸い私たちの他に誰もいなかったのでよかった。
お腹が空いて弱りきっているので、夜ご飯を探し歩く。
いろんな店を見たけれど、どれも最低15元はする。
辺境だからか物価が高い。
ここでいいかと入ったお店で、餃子15個で12元とチャーハン12元。
高いけどおいしかった。
店のおばちゃんもおじちゃんもいい人で、お粥を食べに明日の朝また来よう。
疲れ切って、早めに寝た。
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