シュンです。
モロッコでは数日前からラマダンが始まりました。
ラホールフォート
2017/5/11 ラホール
屋上でコーヒーを淹れて、朝食のバナナとクッキーを食べる。
10時過ぎにスーパーで水を買おうとすると、まだ開いていなかった。
やっぱりパキスタンの朝は遅いのかもしれない。
乗り合いバン(ヂンヂー?)の106番でラホールフォートという場所に向かう。
屋台で売っていたタピオカドリンク風の飲み物を買ってみたが、ゆで卵の白身にマサラと塩をかけたような味だった。
ラホールフォートは公園のような場所だった。
入園料は無料なのか「払わなくていいよ」と言われたのか分からないが、入り口はそのまま通っていいと言われた。
敷地内のカフェで水を買い、後からいくら?50ルピー?と聞くと150ルピーだと言う。
50ルピーを渡しても150ルピーだと言い張る。
街なかでは50ルピーで売られているのを知っている。
でも、水であれ事前に値段確認をしなきゃだめだ。
旅の基本中の基本。アホか。
モスクがきれいだったので入口を探したけど見つからず、腹が減ったのでモスクはやめて安食堂を探すことにする。
店はたくさんあったので、いろいろ鍋を覗いたりして聞くと、値段はマトンが一番高く、チキン、ビーフという順番だった。
チキンよりビーフが安いのは日本では考えられない。
ビーフのミンチと豆の煮込みを注文した。
これで100ルピー。
▼サラダ付き
乗り合いバンの乗り場まで歩く。
靴屋が多い。たしかにパキスタンの人はこういう革のサンダルをよく履いている気がする。
▼渋滞
▼氷屋
乗り合いバンで宿の近くに戻り、チャイを飲んで宿へ帰る。
夕飯は宿の近所で見つけた屋台で、卵とじゃがいものカレー、ナン、シャワルマを買い、宿に持ち帰った。
商店に寄ると、なぜか普通にビールが売っていたので500mlを2本買った。
宿の屋上で夕飯を食べる。
久しぶりのビールが楽しみだ。
スタッフがいたのでここでお酒飲んでも良いかと聞くと、大丈夫だと言われた。
「今日は暑いもんねー」
すごく優しい。
カレーも、シャワルマもうまいなあ。
ビールはちょっと薄いけど、まあいいか。
久しぶりだったからガブ飲みしたけど、なんか酒が入ってる気がしないなあと思って見てみると0.00%と書いてある。
いや、店で手にとったときに気づけよな。
だから普通の店に置いてあったのか…
アホだな、こんな初歩的なミスをするなんて。
スーフィーナイトに行こうかと話していたけど、物騒な事件も起きたりしているようなので、やめることにした。
明日の夜行で、もうギルギットに行っちゃうか。
オープンマインド
2017/5/12 ラホール~マンディーバハーウッディーン
朝のコーヒーを飲みながら、ひょうきんにギルギットへの移動情報を聞く。
ひょうきんによると、ラホールからギルギットに行くには、ラホール~ラワールピンディー~ギルギットとバスを乗り継がないといけないらしい。
そして、ラワールピンディーに夕方に着くためには、ラホールで11時のバスに乗らなきゃいけないと。
だから、今日行くなら今出なきゃいけない。
値段は
ラホール~ピンディー:1000ルピー
ピンディー~ギルギット:1500ルピー
高すぎる。
とりあえず11時のバスにはもう間に合わないので、ここにあと一泊することにして、停電が終わったタイミングで移動情報を調べる。
やっぱり調べると色々情報が出てきた。
ピンディー~ギルギットは1500ルピーのバスで行った人が多いみたいだけど、ラホール~ピンディーはローカルバスとかもあるようだった。
色々探せば聞いた情報以外の行き方もありそうだ。
そういえば、最近旅の調子が悪いと思っていて、2人でその原因を考えてみると「最近怠けているんじゃないか」という話になった。
体調が万全じゃないとか時間が無いとか理由をつけて、よく調べもせず、粘りもせずなんとなくやり過ごしている。
楽しくないわけじゃない。
でも自分たちの旅の空気が淀んでいて、チャレンジングでオープンな気持ちが薄れている。
やっぱりイージーな方に流れていくと、旅としての面白さは失われていく気がする。
苦行をしたいわけじゃないけど、よく考えずに与えられた情報だけを鵜呑みにして、定石通りに動くだけの旅は自分たちの旅ではない。
だから、基本に立ち返ってもう少しギラギラと、ガツガツと、そしてオープンにいこうと話し合った。
昼食はおいしかったチキンカライの店に食べに行った。
ここのはやっぱりうまい。
近くの店でチャーエ(チャイ)を飲む。
この店のチャーエはスパイスの味はほとんどしなくて、ただ甘かった。
▼路上で飲んだブルーベリーのジュース、しょっぱい
今日はカメラを持っているからか、さっきオープンマインドを意識したからか、いつも以上によく話しかけられる。
握手、セルフィー、「Your country?」、「Welcome to Pakistan」。
若者に声をかけられて「ガイドするよ、連絡先教えて、フェイスブックやってる?ランチどう?もう食べたならじゃあコールドドリンクでも、5分だけでも…」とかなりしつこく声をかけられて、最終的にセルフィーで終わった。
メイは、さっきオープンマインドって思ってたし飲み物を飲みに行くくらいいいんじゃないかーって感じだったけど、僕は人の話とか都合を聞かないでグイグイ来るタイプの人は苦手なので断った。
悪気がないのは分かるんだけど、しつこい人はどうも苦手だ。
日本人からは想像もつかないアグレッシブさで、ヨーロッパの人ともまた違う。
こないだ閉まっていた大学に入ってみようと思って行くと、守衛さんにダメだと言われた。
やっぱりパキスタンは、バングラと比べても厳しいのかもしれない。
テロ対策とかも色々と。ラホールでは外国人はSimカードも簡単には買えなさそうだし。
それでも帰り道、路上の警官が「ようこそ」という感じで握手をしてくれた。
今日はいろんな人がウェルカムしてくれている。
旅に限らず、なんでも自分の行動や気持ちの通りのものが返ってくると思う。
宿の近くの人気のアイス屋に寄った。
スモールで65ルピーと結構高いが、店内はほぼ満席だった。
客は全員男性。
日本なら女子高生とかが居そうな店だ。
「アイスクリームショップの客が全員男性」というのがパキスタンの雰囲気だ。
リアルストロベリーという味を注文する。
「あなたは日本人ですか」
前に座っていた中年男性に話しかけられた。
日本語がうまい。
日本に住んでいて、車関係の仕事をしているらしい。
ラホールの街を見ていると、たしかに日本車ばかりだったと思う。
市バスのような役割の乗り合いバンも日本のもので、○○事務所とか会社名とかがそのまま書いてある。
日本語を話せるイジャーズさんと、兄のイクバルさん。
割と裕福そうな人たちだ。
「パキスタンに来たお客さんだから」と言って、アイスをもうひとつごちそうしてくれた。
次はギルギットに行くという話をすると、家に泊めてもらえることになった。
家はラホールとピンディーのちょうど真ん中あたりにあるらしく、今日は仕事でラホールに来ていてこの後帰るのだと言っていた。
明日、その街からピンディーに行けばギルギット行きの夜行バスに乗ることができる。
パキスタンの人の家にお邪魔することができるまたとないチャンスだと思い、勢いで決めた。
もう帰るみたいだったので、宿の近くで車で待ってもらった。
敬虔な人、ひょうきん、スリランカ人、マレーシア人などに、「やっぱり今出ることにしたんだ」と言って挨拶をして、出発する。
イジャーズさんの車はトヨタだった。
ナビには日本語でエラーが表示されている。
高速の入口までの道が分からないらしく、オートリキシャーに聞いて先導してもらっている。
途中で案内してくれているリキシャーとはぐれて別の人に頼んだら、最終的に1人目も見つかって2人に数百ルピーずつお金を払っていた。
オートリキシャーのこんな使い方があるとは知らなかった。
車の中では色々なことを教えてくれた。
パキスタンでは日本車がたくさん使われている。
日本の中古トラックを解体して、もっと重いものを乗せられるように改造して使うらしい。
高速道路の両サイドは畑と田んぼが延々と続いている。
オレンジ、スイカ、コーン、小麦、米。
パキスタンにはパキスタンの米の匂いがあって、それが最高。
日本には日本の米の匂いがあって、それもおいしい。
日本人って日本の米が一番おいしくて、タイ米とか他の米はグレードが低いと考えがちだけど、本当はそんなことはなくて、どこで食べるか、どんな料理と食べるかによっておいしさは変わると思う。
日本の食事にタイの米を合わせたらイマイチだし、バングラデシュやパキスタンの料理に日本の米を合わせたら同じくイマイチだと思う。
世界で米の炊き方は全然違うし、用途や位置付けも違うから面白い。
バングラデシュではレストランで山盛りのご飯が運ばれてきたりしたけど、軽いからサラサラと食べ終わったし、そのおいしさに驚いた。
多分、パキスタンにもパキスタンの米の良さがあるのだろう。
パーキングエリアで休憩する。
日本のパーキングと変わらない。きれいなレストランや売店が並び、トイレもある。
高速道路自体もかなりきれいで快適な道だった。
4,5時間ほど高速を走り周りが真っ暗になった頃、幾つかの村を抜けて街に入った。
マンディーバハーウッディーンという街だ。
初めて聞いた名前だけど、立派な街で人もたくさんいる。
パキスタンの人口の多さを感じる。
イジャーズさんの家は想像以上の豪邸だった。
車が何台も置けるガレージのある、3階建ての一軒家。
パキスタンでは人を家に招待するとき、男女別でもてなす。
この家は豪邸なので、玄関から男女別だった。
男性客は家の女性に会うことは出来ない。
居間のようなところでイクバルさんと待機した。
その間、メイは別の部屋で奥さんや子どもたちと顔を合わせていたらしい。
しばらくすると、食事の準備ができたということで、料理が続々と食卓に運ばれてきた。
夕飯はイジャーズさん、イクバルさん、メイと4人で。
本当は男女別だけど、メイは外国人の客だからこっちと一緒で良いみたいだった。
夕飯はものすごい豪華だ。
これは僕たちが来るからなのか、いつもこんな風なのかは分からないけれど。
チキン、マトン、野菜、チャパティもビリヤニもある。
▼なすとチキンの辛い煮物
▼チキンとアーモンドの煮物(マスタード・マヨネーズの味がした)
▼ちょっと和風テイストなマトンと野菜のカレー風煮物
▼チキンビリヤニ
▼デザートはパンが常温のアイスクリームのようなものに浸っている、インドやパキスタンでよく見るタイプのスイーツ。バンコクのシーク教寺院でもたまに出ていた。
食べ慣れない味付けも多かったけど、本当に全部おいしくて、お腹いっぱいになった。
食事は奥さんが作ってくれたみたいだったけど、僕は家の女性と接してはいけないのでお礼を言うことも出来なかった。
食器運びは長男がやっていた。
これも、女性たちは僕とイクバルさんのいる食卓に行けないからなのだと思う。
当たり前だけど徹底している。
寝室に案内される。
シャワー、トイレ付きのすごくきれいで広い部屋でびっくりする。
すごいの一言に尽きる。
でもはじめてのパキスタンの家庭で厳格な男女別ルール(家の中で奥さんや娘が見えてしまいそうなときには咄嗟に顔をそむけたりしなければいけなかった)など色々緊張したし、満腹だったのもあり、シャワーを浴びてすぐに寝ることにした。
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