メイです。
世界旅行記、2017年8月のイラン編です。
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バザールの活気
2017/8/21 イラン ラシュト
朝食を食べて、外に繰り出す。
▼ベルト売りのおじちゃんと、サンダル売りのおじちゃん
▼道の真ん中に路上販売がずらーっと並ぶ
今日の目的はバザール。
宿の近くにあるみたいなので、あまり期待せずふらっと行ってみた。
ここのバザールは他の都市で見てきたのと違って、生鮮食品が売っている!
今までのバザールではこういうことはなかった。
俄然わくわくしてきた。
シュンが写真を撮ろうとカメラを構えると、物珍しそうにじっと見る人や警戒する人、「撮るな」と歓迎してくれない人もいた。
どこの国でも撮られたくない人はいるから、こちらが十分に配慮しなくてはいけない。
肉、魚、野菜、乾物、日用雑貨、文房具、なんでも売っている。
地面は濡れていて汚いけれど、それが庶民の市場っぽくていい。
すごいぞすごいぞ大興奮。
逆に今まで行ったイランの都市には、なぜこれがなかったのかが不思議。
野菜やフルーツを買った。
少量を買う人はいないので(たいていkg~)、店主にたいてい嫌な顔をされるが仕方がない。
魚も買ってみた。
1尾買ったら、おまけで違う魚も付けてくれた。
あぁ、超楽しい。
見るのも、選ぶのも、買うのも、やりとりも。
▼いろんなグレードのきゅうり。2つだけ買おうとしたら無料でくれた。(嫌そうな顔で。笑)
▼調理しなくても食べられるかな?と思って買った魚
▼これはちょっと衝撃的だった
じゃあ、いろいろ買えたし帰ろうか。
マーケットを出て通りに出ると、くつ直し屋さんが路上にいた。
そうだ、左足のサンダルのつま先がベロンと剥がれちゃっているんだった。
おじさんに見せると、40,000リアルでやってくれるというのでお願いしよう。
おじさんは素手で接着剤を塗っていく。
すごいな。
騒ぎ
待っている間、周りの路上販売のおじさんたちと仲良くなる。
ここのおじさんたちが優しいから、ちょっと隣でバスキングに挑戦してみるか。
シートを広げて準備する。
それだけですぐに大勢の人が集まってきた。
準備が完了した時点ですでに15人くらいに囲まれている。
ちょっと集まり過ぎて怖いな。
人だかりの中で、黒いチャドルを着たおばあさんが何やら大きな声を出している。
それを見て、なんだなんだと更に人が集まり始める。
何を言っているのかわからないけれど、みんなの不穏な表情を見るに、私たちはどうやら猛烈に批判されてるらしい。
開始1分だ。
おばあさんの言っていることで聞き取れた言葉は、「イラニアン プル ジャポニアン」。
「イラン人 金 日本人」。
これを表情や状況を踏まえて考えてみると、「なんで日本人がイラン人からお金を取っていくんだ」、「日本人がこんなところで金を稼ぐな」。
どうしようと思いつつ、おばあさんも文句を言ったらじきに去っていくだろうとじっとしていたら、人混みの中におばあさんに言い返す人が数人出てきて、ちょっとケンカっぽくなってきた。
これはやばいな。
隣の優しいおじさんたちの顔を伺うと、「今日はもうやめておいたほうがいい」と目で訴えられる。
それを合図に大急ぎで道具をしまい、「フィニッシュフィニッシュ!」と言った。
お願いだからみんなもう散ってくれ。
騒ぎを見て英語が喋れる人が、「どうしたの?」と聞いてきてくれたり、一部始終を見ていた数人が「大丈夫だ、気にすんな」、「昼ごはんを食べたらまたここに戻ってこいよ」とかいろいろ声をかけてくれる。
「ドンマイ、がんばれよ」みたいに20,000リアルくれたおじさんもいた。(もちろん受け取らなかった)
優しいなぁ、泣きそうだよもう。
荷物を抱えて早足で宿に逃げたけれど、振り返るとまだ人混みの中でおばあさんと数人が言い合いをしていた。
はぁ。めちゃくちゃ落ち込む。
色々考える。
外国人に慣れていないイラン、特にここラシュト。
金のある日本人がイラン人から金を巻き上げているように見えたり、こんなところで金稼ぎをされたらムカつくとか、色々思われたりもするだろう。
それに、あまりにも人が集まりすぎるのも問題だ。
あっというまに注目の的になってしまい、本来なら気になる人だけ近づいてくれればいいものを、なんだなんだと関係ない人まで巻き込んでしまう。
とにかく、おばあさんを不快にさせてしまったことも、騒ぎを起こしてしまったことも、わたしにとってものすごくショッキングなことだった。しばらく落ち込む。
もうすぐイランを出るし、この国でバスキングをするのはやめた。
気を取り直して(気持ちは沈んだまま)、昼ごはんは部屋で自炊。
パスタと、昨日買った豆とマッシュルームの缶と、さっきバザールで買ったトマトといんげんでパスタ。
ごちそう
昨日、キャバーブ・トルシュを奢ってくれたナビッドさんが、Facebookで家に来ないかと誘ってくれた。
もちろん行かせていだたきます!
待ち合わせ場所のゴルサースクエアという辺りは、リッチな人たちのエリアらしい。
21時に待ち合わせて、車で家まで連れて行ってくれた。
家に到着すると、お母さんと妹さんが迎えてくれた。
家は、やっっっぱり豪邸だった。それも、想像以上に。
部屋には絵画や壺、小さい犬、それに高そうなソファがたくさん。
ちなみに冷蔵庫はLG、テレビはサムスン、クーラーは中国のHisence。
日本製品はない。
まずは、ソファに座って家族のアルバムなどを見ながらドリンクを頂いた。
これ、街なかで売っていて気になっていたものだ。
暑い日にいいらしい。ビタミンが多いとかなんとか。
妹さんの旦那さんが来て、夕飯スタート。
わ!わわわわーーー!
何種類あるか分からないくらい料理が出てきた!
すごい用意してくれたんだなー……ありがたやーーありがたやーー
▼レタスとミニトマトのサラダ
▼バルバリ。名前のようにばりばり食べる。
▼ボラニ。ヨーグルトの和え物。これは茄子とにんにく入り。
▼ゼイトゥーン・パルバルデ。 オリーブにザクロとくるみがまぶしてある。
▼ミールザーガーセミー。ここギーラーン州の郷土料理で、一番おいしかった!ナス・トマト・卵・にんにく・スパイスなどのペースト。甘くて日本人に親しみやすい味だと思った。
▼ドルメ。ぶどうの葉で肉や豆などを包んで蒸し煮する。甘くてしょっぱくて時々すっぱいおもしろい味。
▼「シルヴァヴィジ」と言っていたけれど調べても出てこない……。 卵とにんにくと青菜を炒めたような感じで、味はニラ玉に似ていた。
▼ターディグ。意味はおこげ。バターと少しの塩でおこげを作る。
▼ククサブジ。ククが卵、サブジが野菜という意。ちょっとキッシュっぽく、ほろ苦い。
▼「ドルシタレ」と言っていたけれどこれも名前がわからない。酸っぱかった。
全部、めちゃくちゃおいしかった。
外食がケバブかフェラフェルしかないこの国に、こんなに料理の種類があったとは驚き。
食に興味がないのかと思っていたけれど、外食に興味がないだけだったのかもしれない。
イランの家庭料理は、こだわりが詰まっていてこんなに手が込んでいる。
イランに来た外国人は、必ず誰かの家にお世話になって家庭料理を食べるべき!
火葬と「その他」
食べながら、いろいろ話したり、質問したり、されたり。
ギーラーン州の人たちは、他の都市の人たちに比べて食べ物にお金を使うらしい。
ギーラーンの人たちはグルメなんだろう。
街を歩いているだけで、他の都市の人たちより食べ物が好きなんだろうなということはわかる。
「日本はなぜ火葬なの?」と聞かれた。
よくわからないけれど、宗教的に魂の方を重視して、死んだら肉体はただの箱みたいなものだから?
個人的にも死んだらただの死体だと思っているので、火葬の方がスペースがいらないし、最後は灰だけになって合理的だと思う。
イスラム教では、終末の日が来たら死者は墓から蘇り、最後の審判にかけられる。
そこで天国に行くか地獄に行くかが決まるわけだけれど、その墓から蘇るときに「体」がないと話が始まらない。だから土葬をする。
ちなみに、火葬は犯罪者に行われるらしい。
コーランに書いてある地獄のイメージは、たしか業火とか燃え盛る炎とかいう風に表現されていたと思う。
ムスリムからすると、死人を火葬するというのは、「なんてことを!」という感覚なんだろう。
ヤクザについて質問される。
ヤクザって本当にいるのかとか、なぜ小指を切るんだとか。
外国人に日本のヤクザについて聞かれることは結構多い。
映画で知ったのかテレビで見たのかはわからないけれど、みんなそういう話が大好きだ。
たぶん、侍の次くらいに人気かな。笑
「日本はいい国だ。頭が良くて、リスペクトフルで、製品がグッドクオリティ。」
まさに典型的な日本のイメージ。こう言ってくれるのは嬉しい。
だけど、どこの国も同じだと思うけれどいいことばっかりじゃなくてね、いろいろあるのよ……。
(まぁ政教一致でイスラム法に縛られているイランよりはマシだとは思う)
街で「チュンチョンチャン」とバカにされるけれど、どうしてイラン人は中国をそんなに嫌うのか、と聞いてみた。
答えは、「イランの経済を破壊したから」だということだった。
陶器も絨毯も、中国の質の悪い安物が市場を席巻し、打撃を受けたらしい。
うーん……。
それならば、経済制裁をしているアメリカや、過去に半植民地化したイギリスやロシアは?
嫌悪はしているかもしれないが、特にアメリカへの文化的な憧れみたいなものはイラン人から感じる。
とにかく欧米への憧れが強いので、中国などアジアはそもそも眼中にないというか、「その他」的な認識なのだと思う。(その中でも日本は一目置かれているように感じた)
そんな「その他」がイラン経済の邪魔をするから、日頃の憂さ晴らしでからかってやろう、みたいな感じがする。言われている側から言わせてもらうと。
経済を破壊うんぬんではなく、そもそも中国などアジアを下に見ているのは確実だと思う。
わかりやすく言えば、日本人の「白人コンプレックス&アジア人蔑視」と同じだ。それを本人の前で当たり散らすかしないかの違いかな。
ナビッド家は大変なお金持ちで余裕があり、海外に留学したりもしていて広い知見を持った人たちなので、そういった差別意識が少ないのだと思う。
食後はきれいなフルーツたちが出てきた。
フルーツが終わると、今度はチャーイとお菓子。
もうお腹いっぱい!
と思ったら追い打ちをかけるようにシメのアイス!
シーラーズでも食べた麺のアイスFaloodeh(ファールーデ)だ。
お腹パンっパン。
時間はすでに24時を過ぎている。
帰るとき、余った料理をパックにしてお持ち帰りにしてくれた。
これは超嬉しい。
明日の朝ごはんだ!
宿まで車で送ってもらって、本当にいたれりつくせり。
最高に有意義な時間が過ごせた。
おもてなしに圧倒された。
ナビッドさん、お母さん、妹さん、ありがとう!!
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