メイです。
世界旅行記、2017年8月のアルメニア編です。
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イラン/アルメニア国境越え
2017/8/24 イラン タブリーズ~アルメニア ゴリス
ラシュトから乗ってきたバスでは爆睡。
7時間のあいだ、休憩は何度かあったみたいだけれど、一度も目が覚めなかったと思う。
朝6時過ぎにタブリーズに到着した。
バスターミナルで座って休憩していると、タクシー運転手がひっきりなしに声を掛けてくるので、アルメニアとの国境行きのシェアタクシーの交渉をする。
国境ノルドゥーズまで、交渉して2人で800,000リアル(約21ドル)が限界っぽい。
高いなぁ。
そんな中、600,000リアルで行けるというおっちゃんが1人だけいた。
お!
でも、聞いてみるとどうやら4人でシェアしての値段らしい。
「あと2人探してくるから待ってろ!」ということで30分くらい待ったと思う。
おっちゃんが帰ってきて、「見つからなかった」と。笑
え~600,000って言ったじゃーん。
持っていたクッキーをおっちゃんに差し出す。
おっちゃんの目の色が変わる。
「わーお!サンキューサンキュー!わーお!」
クッキーにチュッチュしながら喜び、さっそくおいしそうに食べるおっちゃん。
こんなに喜んでもらうとこっちも嬉しいね。
わたし「よし!じゃあ、600,000で!」
おっちゃん「ノ~」
わたし「じゃあ700,000。クッキーあげたからね!」
おっちゃん「ノ~」
わたし「えーーじゃあ750,000!決まりね!」
おっちゃん「ノ~」
交渉失敗。
クッキーとこれは完全に別物だったみたいだ。
1時間以上ここにいたけれど、結局800,000リアル以下にはならなかった。
もう諦めて行くか!ってことで、かわいいおっちゃんとGO。
途中でおっちゃんが商店でクッキーを買って、半分くらいくれた。
さっきのお礼かな。
3時間ほどで国境に着いた。
両替をして、ついにイラン出国!
出国手続きはとても簡単だった。
国境には川が流れていて、そこに架けられた道路を渡ったらアルメニアだ。
おもしろいのが、橋の真ん中からこちら側がイランの国旗カラーで、あちら側と色が違うこと。
橋の真ん中まで来て、ついにこの頭に巻いているスカーフを外せるときが来た。
スカーフ、冬はいいかもしれないけれど、夏は本当にきつかった。
持ってきているスカーフは夏用の薄いものではなかったし、現地の女性みたいに頭に巻く用のおしゃれなものでもなかったので、身体的にも精神的にも多少なりとも苦痛だった。
良い点は、強い日差しを避けられることと、髪型を気にしないで外出できること。
でもやっとこの暑苦しいスカーフとオサラバだ!嬉しすぎる!
橋を渡りきったとき、アルメニア側の兵士に「さっき橋の上で写真撮ってただろ、デリートしろ。」と怒られた。
カメラを差し出すと、写真をチェックされたものの、削除はされずに済んだ。
ということでこれは国に認められた写真です。
アルメニア側のアライバルVISAの取得をする。
3000ドラム(21日間のVISA)を支払い、すぐに取得できた。
ここの係の人が、「どこ行くんだ?」と聞いてきた。
「メグリに行くなら、知り合いのいい宿がある」と。
でも今日はゴリスまで行きたかったので断った。
それに、なんとなく必死さが怪しかった。
入国審査はけっこう厳しい。
感じの悪い金髪女性が虫眼鏡でパスポートを入念にチェックするなど、何やら時間がかかった。
プーチンの写真が管理官の部屋に飾ってあった。
ロシア文化圏に来たんだなと改めて実感。
ということで、無事アルメニア入国!
タクシーでメグリまで
建物を出ると、タクシー運転手がたくさんいた。
バスはなさそう。
もともとヒッチハイクをする予定だったけれど、念のためタクシー運転手にゴリスまでの値段を聞いてみると、80ドルとか。
そんなの、やっぱり高すぎて無理。
かといってここにはヒッチハイクできるような車は来なさそうなので、とりあえず一番近くの街であるメグリまでタクシーで行くことにした。
話しかけたタクシー運転手のオヤジが、メグリまで5000ドラムから2000ドラムに値切ってくれたので乗る。
でもこの運転手のオヤジ、ちょっとオカシイ。
ヘラヘラしていて本当にうるさい。
どううるさかったのかは忘れてしまったけれど、とにかくうるさすぎて、わたしは何を話しかけられても完全に無視モードに入った。
シュンは我慢できずに「もう!うるさいよ!!」と怒る。
オヤジもちょっと怒られたとわかったのか、へへっと笑い、少し静かになったけれど、またしばらくすると元に戻った。
なんなのこの人、と思ったら、どうやら酔っ払っていたらしい。
途中でワインとジンを勧められて気づいた。
どうか安全にメグリに着いてくれ……
メグリにはすぐ到着した。
ヘラヘラオヤジから解放されたので、気を取り直してヒッチハイク開始。
最終目的地はゴリスだけれど、まずはここから一番近くのそこそこの大きさの街を目指すことにした。
ヒッチハイクでゴリスまで
「Kapan」とノートに大きく書き、上に掲げたその瞬間、1台のトラックが停まった。
開始5秒くらい。
急いで駆け寄って聞いてみると、エレバンまで行くらしい。
つまり、目的地ゴリスまで一気に行ける!
乗せてくれたのはサコーさん。
英語はほぼ通じないので会話自体はあまりないけれど、ジェスチャーや翻訳でいろいろ話した。
サコーさんは超強面(笑)で最初怖かったけれど、とてもいい人だった。
途中で故障して停まっているトラックを見たら、車を停めて手を貸すし、商店でコーヒーを買ってきたと思ったら、私たちの分まで買ってきてくれたり。
まずヒッチハイクで乗せてくれる時点でものすごーく優しい人なんだけれど。笑
カメラ向けるとピースしてくれる、おちゃめな一面もある。
サコーさんが運転しているこの大型トラックは、20トンもの荷物を運んでいるらしい。すごいな。
それと山道だということもあって、ものすごーーくゆっくり進む。
どのくらいゆっくりかというと、早歩きと同じくらいの速度。
ジェットコースターが、カッカッカッカッとゆっくり登るときみたいな感じ。
たまに、カーブなしの直線では40kmくらい出すけれど、上りも下りもめちゃくちゃゆっくり進む。
着くのは夜になっちゃいそう。
でも別にそれでもいい。
▼ほら何かいるぞ!ってサコーさんに言われて、ほんとだ!って言ったけれど作り物だった。サコーさんはニヤニヤしていた
外を眺めていると、そこら辺にフルーツがたくさんなっている。
リンゴとブドウとモモが、同じ道沿いに普通に並んでいたりする。
フルーツってこんな風にそこらじゅうにできるものなの?!と、それが見えるたびにえらく感動した。
サコーさんが車を停めて窓からフルーツを取ってくれた。
ものすごくすっぱかった。
途中サコーさんが、カパンでご飯を食べるという。
ジェスチャーをよく見てみると、家で食べると言っている。
家がカパンにあるってこと?
20トンの荷物を運んだ戦車のようなトラックが細い道に入り、日本の団地のような集合住宅に停まったのは、ちょっと不思議な光景だったと思う。
外に出ていた集合住宅の住民たちが、立ち止まってその様子をじーっと見る。
トラックを見ていたのか、乗っていた私たちを見ていたのかはわからない。
あまり笑顔はなく、少し怖かった。
遊んでいたたくさんの子供たちも足を止めてこちらを見ていた。
その中からひとり駆け寄ってきた女の子は、サコーさんの娘だった。
すっごく可愛い。
一緒に家の中へ。
▼窓から顔を出している人も多い
奥さんが迎えてくれた。
とってもかわいくて、とっても美人!
(失礼だけれど)集合住宅の見た目からしたら、家の中はとてもきれいだった。
奥さんが用意してくれていたご飯を出してくれた。
▼鶏肉とたまねぎ炒め
▼じゃがいも炒め
おいしい!
ほとんど塩だけのシンプルな味付けで、すごく好みだった。
イランではスパイスばかりの生活だったから、馴染みのある味が染み渡る。
素材の味を久しぶりに感じられたし、固形のものを食べるのも久しぶりな気がした。(イラン料理は細かく刻んだり煮込んだりするものが多く、見ただけでは食材に何が使われているかわからないことが多かった)
パンと一緒にバクバク食べた。
どんどん食べろ!と言われたのでどんどん食べた。
食後はフルーツとチョコとコーヒー。
おいしかった~ごちそうさまでした!
サコーさんがシャワーを浴びて、再出発。
とても短い時間だったけれど、急に押しかけてきたわけの分からない外国人を温かくもてなしてくれて、本当にありがたい。
いつか、自分たちもこんなことを人にしたいなぁと思う。
今自分は旅人で、施してもらうことだらけだけれど、いつかは逆の立場になって人に何かをしてあげたいと思う。
これは、この旅で生まれた、将来やりたいことのひとつ。
▼奥さん、写り悪いけれど本当にきれいな方だった~
トラックに再び乗り込むときも、団地のたくさんの人がこちらを見ていて、なんだか船の乗組員みたいな気分。
▼洗濯物おもしろいなぁ
▼逆サイドはどこにロープが張ってあるんだろう
その後もトラックはゆっくりゆっくり進む。
そのうちすっかり夜になった。
星がすっごくきれい。
“移動”・”人の優しさ”・”星”。
これが「旅」かなぁ、なんてふと思った。
なにかが満たされた気分。
時間なんてどうでもよくて、ただ身を任せたいと思った。
21時ごろ、ゴリスに着いた。
サコーさん、本当にありがとうございました。
目星をつけていたホステルゴリスにチェックインし、念願のビールを買って飲んだ。
久しぶりのビール!うまー。
やっとお酒の飲める国に来たぞ~。
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